灰色スペクトル
□優等生と不良君
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日常。
高校生になれば退屈な日常も少しは変わるかと思っていた。
そして俺の望み通り、それはほんの少し変わった。
早くなった起床時間。
着る制服。
乗る電車。
学校。
しかしそれも、1ヶ月と経たずに日常へと埋もれていく。
高校に入学して3ヶ月経ち、俺の立ち位置は決まった。
学年で1番頭が良くて話しかけづらい、クラスで少し浮いた優等生。
中学の頃と何ら変わらなかった。
元より変わる気なんかない。
持って生まれたこの平凡な容姿のおかげで、俺は目立たず平穏にただ毎日を過ごせている。
ただ、ほんの少し。
一欠片だけ、普段とは違うことがしてみたかった。
誰にでもある『魔がさした』というヤツだ。