「私とあの女とどっちが大切なのよ!」


突然のその台詞に、ティーアは頭がついていけずに一瞬固まった。


「あ、あの女って?」


とりあえず、それだけ聞いてみる。

心当たりは…まぁ、ない。

すると彼女は少し困った顔をして、


「えーと…うーん……あー…ライナとか?」

「ライナは男だろう…というか、いきなりどうしたんだい?」


と尋ねてみると、彼女は懐をゴソゴソと漁り、一冊の本を取り出した。


「主人公が今の台詞言ってたの」

「…またそんなドロドロな小説読んで………」

「で、で、どうなの!?」

「え?本気の質問だったのかい?」

「私はいつでも本気だよ!」


暇さえあれば寝ている奴が何を言う。

と思わず言いそうになったがそれを抑え、彼はこう言った。


「言わないとわからないような浅い仲じゃないだろう?」


うわああああなんだコレェ!!



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