世界の在り方
□第4話 紫の騎士
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へーゼル村の採掘地に行くのは気が引ける。
それでも、今回の任務の為には行かなければいけない。
それも早急に、だ。
そう思いながら、私はコンフェイト大森林を駆けていた。
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「チッ…」
舌打ちをして、私は向かってきたチュンチュンを斬り払う。
フェリーチェも尻尾を刃のように変え、プチプリを切り裂く。
「いっそエクスプロードで焼いてやろうかな…」
ぽつりとそんなことを呟くと、フェリーチェが肩に乗り、小さく首を振る。
森が焼けてしまう、とでも言いたいんだろうな。
分かってるよ、なんて言って私は細剣を鞘にしまう。
そんな時、ひゅう、と風が頬を撫でた。
妙に強いその風は自然に発生した風ではなく、魔力を帯びた…つまり魔術によって起こされた風だと分かる。
「…!」
サレが操るのは風の魔術。
それも「嵐」とカテゴリされるほど強力な、だ。
まさか、と思い私はその風が吹いてきた方向へと駆けだした。
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