世界の在り方
□第6話 白銀の閃光
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……ということですので、暫くはアドリビトムの方で業務を行います。
何かあれば私の副官でも送ってください。
アーシィ・コルウェット
「…はぁ」
溜息を一つ。
団長への手紙を書き終え、私は椅子の背凭れに寄りかかった。
サレにエステリーゼ様を連れて行かせない、なんて任務を終えたと思えばまさかアドリビトムに加入することになるなんて。
軽く頭を掻いてそんなことを思っていると、扉がノックされた。
「失礼します」
「…あれ、シャネイル君じゃない」
部屋に入ってきたのは、私をアドリビトムに加入させた一番の要因、シャネイル君だ。
しっかし…。
「何か用?」
「ううん、特に用はないよ」
きょとんとした顔で言うものだから、イマイチ反応が返しづらい。
そっか、と言って私は彼にベッドにでも座るよう言う。
「アーシィって、『白銀の閃光』って呼ばれてるんだって?」
「聞いたんだ?」
アンジュさんから聞いた限りでは帝国に迷惑を被った人もこの船に乗っているらしく。
私をそう呼ぶってことはその内の誰かか、もしくは騎士団やら軍隊やらに関わりのあった人から聞いたんだろうなぁ。
なんて、1人思っていると。
「ねぇ」
「ん?」
「人を斬ったことがあるの?」
…これはまた、直球に聞いてくるなぁ。
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