世界の在り方
□第3話 自由との出会い
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「大丈夫?君達」
「あ…、は、はい!ありがとうございました!」
少女の方ははっと我に返るとそう私に頭を下げてきた。
少年の方は私と目が合うと「ありがとう」と小さく笑った。
何故だか、その表情にすごく惹かれた。
「…あの?」
「あ、いや、なんでもないよ」
うん、と頷きながら笑えば少女は「そうですか?」と首を傾げた。
「ああ、そうだ。私もそろそろ行かないと」
「え…、お礼したかったのに…」
「ふふ、その気持ちだけで十分。じゃあね!」
少女と少年に手を振り、私は歩きだす。
一度だけ振り返れば、少年は未だ私を見ていた。
足にすり寄るフェリーチェを抱えあげ、ふう、と息をついた。
自由との出会い
("自由"の少年との出会い)
(これがこれからの私を決めただなんて)
(その時の私はまだ知らなかった)
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