夜空を纏う四ノ姫

□ディーノ再び
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ツナたちは通学路を歩きながらディーノについて話をしていた


「へ――ディーノさんが?」

「ええ。あいつが先代が傾けたファミリーの財政を立て直したのは有名な話っス」

『マフィア キャバッローネっていったら今では同盟の中でも第3勢力なのよ』

「へ――っ
(ディーノさん。経営者としてもやり手なんだ――やっぱかっこいいな――)」


昨日からヘナチョコぶりを見せられていても、やっぱりツナはディーノを尊敬していた
同時にあこがれの感情も芽生えてくる
反対に獄寺はしかめっ面をしていて、その理由を知っている桜は苦笑した


「どっちにしろオレは好かねースけどね」

「え…な…なんで?」

「年上の野郎は全部敵スから」

「(Σ範囲広!!!)」

『(ホント、相変わらずよね)』


桜は困ったようにクスクスと笑った
刹那、爆音を轟かせた赤い車が突如脇に現れ、ロープでツナを捉えるとそのまま走り出した


「10代目!!」

「ツナ!?」

「ありゃここら一帯を締めてるヤクザ、桃巨会の車だな」

『(え…?)』


走り去る車に呆然とする獄寺を山本は背後に現れたリボーンの言葉に驚愕を露わにする
桜は不自然なリボーンとその言葉に探るような目でリボーンを見た


「ヤクザといえばジャパニーズマフィアだ
大人マフィアに中学生のお前達がかなうわけねぇ
ここは警察にまかせろ」


しかし獄寺と山本は走り出した





「まかせられません!!」





「警察は頼んだぜ小僧!!」






車を追いかけて行った二人を傍観していた桜に、リボーンは意地の悪い笑みを浮かべた


「お前は行かねーのか?桜」

『何言ってるのよリボーン』


桜はハァと息を吐いて後ろを振り返った
その表情は心底呆れている


『ディーノ。そこにいるのは分かってるわ
さっさとツナを離しなさい』

「ハハッ。やっぱりバレてるか」


桜に促されたディーノはロープでぐるぐる巻きにされていたツナを伴って角から出てきた
目を回すツナを見て桜は肩の力を抜いた


「桜はやっぱ騙せないな
それにしても気に入ったぜ
あいつらの頭にはツナを助けることしかねえ
冷静とは言えねーが信頼はできる」

「何するんですかディーノさん!!」

「わりぃわりぃ。お前のファミリーを試させてもらったんだ」

『"試させてもらったんだ"じゃないでしょう』


腕を組む桜の隣でツナは真っ青な顔でディーノに問いかけた


「ちょっあの!獄寺君と山本はどうなっちゃうの?」

「心配ねーよ。桃巨会なんてリボーンの嘘で架空のヤクザさ
今にあきらめて帰ってくる」

『(そういえば…)』

「ツナ…お前幸せもんだな
あんなボス思いのファミリーにそうそう巡り合えるもんじゃねーぞ」


ディーノの言葉にツナは照れながらも複雑な顔をした
マフィアのボスにはならないと言っているからいくら友達を褒められたとしても仕方がない

桜はそれを聞き流して少しばかり真剣な表情をしてリボーンに問いかけた



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