夜空を纏う四ノ姫

□お正月
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「ここはスポーツ万能山本たのむよ〜」

「ん。バドミントンみたいなもんだろ?」

「キャバッローネなんてぶっとばしてこい」


ツナは山本の頼もしい言葉にホッと胸を撫で下ろした
しかしキャバッローネには幅広い人材が揃っていた


「ならこっちは元テニスプレーヤーのマイケルでいくぜ」

「なんで元プロがマフィアにいるの〜〜っ!!?」


それを聞いた桜は山本を振り返る


『武。私テニス得意なの
相手が元プロなら私が相手をしようかと思うんだけど』


その申し出にしかし山本は爽やかに笑った


「ダメだぜ桜。せっかく着物着てんのに崩れちまうじゃねーか
おまけにチビも連れてるしな」


そう言って腕に抱えているルーの頭を撫でた


「オレにまかせてくれよ」

『あっ』

「(それに桜にいいとこ見せたいしな)」


山本は笑って羽子板を手に持ちマイケルと対峙した


『(これも不安だわ)』

「試合開始だ」


ピッ


軽いホイッスルの音が響き、山本は羽をついた
それにいきなり反応したマイケルはスマッシュを放つ


「なんの」


対する山本はまるでバッドを持つかのように手首をしめて豪快に打った
羽はマイケルの頭上を楽々と超え


そのまま彼方の空に消えて行った


「あ……」

「アウト」

「わり――」

『やっぱり』


これで21対−17となってしまった


「カッコわりーところ見せちまったな」

『…まぁ、あのフォームは綺麗だったわ。さすが野球部のエースね』


そう言ってニッコリ笑った桜に山本は嬉しそうに笑った


『リボーン。次はなに?』


振り返って桜はリボーンに問いかけた


「次は百人一首だぞ」

『そう』

「ハイ!ならここは私が」


そう元気に手を挙げたハルに桜が待ったをかけた
その目はどこか本気の色を灯している


『ごめんね、ハル。私にやらせてくれない?』

「はひ?」

『私百人一首好きなのよ』


そう言って笑った桜にハルは顔を真っ赤にさせて大きく頷いた


「桜ちゃんの華麗なフォームを見てます!!」

「フォームって…」

『フフッありがとう。ルーを預かっててくれる?』

「はい!」


ハルにルーを預けて桜は余裕な表情が少し崩れたディーノに向かい合う


「桜が相手か。不足はなしだな(しかもちょっと本気が入ってるしな)」

『相手はこの人?』

「ああ。サムだ」


桜とサムはいつの間にか設置されていた畳の上に座った
着物を着ているため風情が出ている



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