夜空を纏う四ノ姫

□お正月
4ページ/6ページ




「よし。早速始めるぞ。空札は読まねーからな」


リボーンは積み上がった札を一枚手に取った


「――立…『はっ』ち別れ――」

「!」

「は、はやい!!」

「なんつースピードだ」

「一文字で取りやがった…」


桜は吹っ飛ばした札をいそいそと取りに立った
ハルと京子は手を取り合って喜んでいた


「かっこいいです桜ちゃん」

「桜ちゃんすごーい!」


桜は取った札を見て満足そうに微笑んだ


『任地への旅立ちにあたっての惜別の情を詠った在原業平の歌。いい歌だわ』

「……楽しそうだね、桜」

「だな」

『さて、と。次、行きましょうか』


桜の活躍により、百人一首は圧倒的勝利をおさめた
しかし残る種目で大敗を期し、ツナたちは窮地に立たされた


「あ――どーしよー!このままじゃ1億円借金だ〜〜!!一生借金地獄だ〜!!」

『落ち着いてツナ』


頭を抱えたツナにディーノが朗らかに言った


「考えてみたらちょっとシビアすぎるな
大人対子供だ。少しハンデをやってもいいぜ」

「ディーノさん」


それを聞いた桜はツナの肩に置いていた手を引っ込めて軽い口調で言った


『なら今までのチャラにすれば?』

「それもそーだな。じゃあ今までのはチャラってことで」

「うそ――!!!」

『(冗談だったんだけど…)』


ポロっと零した一言で戦況が降り出しに戻ってしまったことに桜は困ったように頬をかいた
まさか同意されるとは…


「かったりーから次で勝った方が優勝な
そのかわり負けたら10億円払えよ」

「なっコラリボーン!ムチャ言うなよ!」


怒るツナだがディーノと桜は諦めて肩を竦めた


「しゃーねーよ。言い出したらきかねーもんな」

「ええっ認めちゃうんですか―――!!?」

『まぁ、リボーンだしね。しょうがないわよ』

「最後の勝負はファミリー全員参加のもちつきにすんぞ
オレにうまいアンコロもちを食わせた方が勝ちだ」

「10代目!ここらで一発大逆転といきましょう!!」

「で……でも」


しかしツナの心配は不要だった
イタリア育ちのディーノ達はアンコロもちの作り方を知らなかったのだ


「じゃあ桜も知らない?」

『えっ……あ〜…そう、ね。うん。知らないわ
だから邪魔しないようにランボとイーピンと遊んでるわね』

「!」

「よ〜っし。ランボさんが遊んでやるもんね!!」

『ええ。よろしくね。ルーも遊びましょう?』


ルーは桜の腕から飛び降りてランボの頭に着地した


「ぐぴゃぁ!!」

「ランボ!ウゴイチャダメ!!」

『(……アンコロもちかぁ…。懐かしいなぁ)』


桜はルーとじゃれているランボ達を見つめながら少しの間ボーッとしていた



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ