夜空を纏う四ノ姫

□お正月
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それから数分後

「終了だぞ。そんじゃあ食べくらべるからもってこい
まずはキャバッローネのアンコロもちだ」

「とりあえずつくってはみたが…
オレ達の知識じゃあこれが限界だ」


自信なさげにディーノが取りだしたアンコロもちはパサパサしていてリボーンの評価はよくなかった


「(やった!この勝負もらったぞ!)」

「次、ボンゴレだぞ」

「うん。これ」


すっきりとした表情で重箱を開けたツナはその中身に絶句した





「な!ポイズンクッキング――!!?





『あら、ビアンキ』

「私も途中から参加させてもらったわ」


何時の間に来たのか、着物を身に纏った艶やかな佇まいのビアンキがいた
後ろでは獄寺が気絶していて山本に介抱されている


『今日はもう来ないのかと思ったわ』

「リボーンに作ろうと思ってたお雑煮の材料を買い忘れていたから採りに行ってたのよ」

『そうなの』


桜は引き攣りそうになる口元を押さえてビアンキに笑って見せていた
アンコロもちの方は極力見ないようにしてだ
隣でツナが頭を抱えて絶叫していた


「これで逆転負けだ―――!!!」


しかしビアンキは至極真面目な顔をして言った


「どーしてそうなるのよ。料理は愛よ
愛があれば毒くらい中和されるわよ
どうぞ、リボーン」


「え、まじで?」

「食うのかリボーン!」


ポイズンクッキングの恐ろしさを身をもって知っているツナとディーノは青ざめた
桜も固唾をのんでその様子を見ていたが、リボーンは鼻提灯をいくつも膨らませていた





「(かつてないほど寝た――――!!!)」





するとリボーン至上主義のビアンキは無理に起こすことはせず矛先を変えた


「仕方ないわね。あなたたちでたしかめなさい」

「「((な!?))」」


矛先が向けられたツナとディーノに戦慄が走り、二人はそこから脱兎の如く逃げ出した


「遠慮せずにさあ」

「いらないよ!」

「くんなー!」





『(あのビアンキのポイズンクッキングって…タイプがアイツの汁と同じよね………)』


桜は徐々に小さくなる3人の後ろ姿の方を見ながら遠い目をしたが、脳裏に浮かぶのは彼らではなかった
それを知る者はいない





→Un afterword
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