頂を目指す二ノ姫U

□白熱!半面VS全面の5ラリー対決!
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『始め!!』


桜の合図で乾が菊丸目掛けてボールを放った


「おチビちゃんだけには負けられないな
ほいっと。先手必勝!」


ボールを打ち返すと菊丸はすぐさま前へ出た


「英二のヤツ
得意のネットプレーで一気に決めるつもりだ」

「めちゃめちゃやる気っスね」

『アレを見てれば当然ね…』

「コーナー!!おおっいいところを…」


リョーマも容赦なくボールを打ち返す
しかしそれにも菊丸は余裕の表情で追いついてしまう


「軽い軽い。よし一球!」

「でたぁ――っ
菊丸先輩のアクロバティックプレー!!」


リョーマはうまく菊丸の裏をかこうと同じコーナーを狙った
しかし菊丸には意味のないことで逆にボールを決められてしまう


「本来全面側(菊丸)は敵の攻撃にいかに粘って凌ぐかの練習なのに…
特製汁が裏目に出たカナ」

『この練習は英二にうってつけね』

「そうだな。あんな後ろからあいつを出し抜くのは一苦労だ」


手塚は腕を組んで桜の言葉に頷いた
桃城はそれを聞いてニヤッと笑った


「(さあどうする越前)」

「ほーい3球」

「―――まったく、



イヤーな先輩が多いなぁ」



するとリョーマはボールを打ち返し自分も前へ出た
それに気付いた桜は意地の悪い顔をすると晴れやかに笑った


『言い忘れてたわ
半面側がネットプレーに出た場合、その時点からコート全面守らなきゃダメだから』

「(げ!!)」

「だってさ。悪いねおチビちゃん
残念無念また来週〜〜っ」

「うまい。逆コーナー隅へのロブ!!」


たじろいだリョーマの頭上を越えてコーナーへと向かうボールをリョーマは追いかける


「アイツなら追いつける!!」

「うん」


桃城と不二はそう言うが、リョーマの向かう方向には乾とボールのカゴがあった


「どーする気だ越前!?」

『ネットに背を向けた状態じゃそう簡単には打てないわね』


しかし桜の視線の先のリョーマは不敵に笑っていた


『(さすが)』





「一回やってみたかったんだよね」





そう言ってリョーマはそのままネットに背を向けた状態でボールを打った


「アクロバティック!!
マジ。それも王道股抜きショットを!?くそっ!!」


菊丸は腕を伸ばしてなんとかボールにラケットを当てて返した
そこにリョーマは驚くべき速さでネットに詰めていたが





『ゲームセット』





「もう5球しのいだよ!!」





桜の高らかな声と、菊丸のピースサインがそれを止めた


「やーいオレの勝ち!!
乾―――ったーっぷりおチビに特製汁を……」


その言い方にカチンときたのかリョーマは菊丸にボールをぶつけた
リョーマに怒る菊丸を苦笑して見ていた桜は、コートに入ってくるスミレに口角を上げた



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