頂を目指す二ノ姫U

□白熱!半面VS全面の5ラリー対決!
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『レギュラー集合!!』


桜の号令でレギュラーは手塚と桜の周りに集合した
都大会も近いので全員表情に気合が入っている


『今日レギュラー陣にはボールを打てる範囲を限定してのラリー対決を行ってもらうわ』

「いわゆるゾーン練習だ」

『そう。貞治』

「OK」


桜は乾を手招きして腰に手を当てた。今は完全にコーチモードである


「とりあえずプレイスタイル別にみんなを分けるとこうなる…

『カウンターパンチャー』の大石・不二・海堂
ベースライン上での安定したストロークで粘りつつ相手のミスを誘う

『アグレッシブ・ベースライナー』の河村と桃城
同じベースラインプレーヤーでもパワー(筋力)を生かして攻撃的なプレーをする2人

『サーブ&ボレーヤー』の菊丸
俊敏性と反射神経の良さを生かしてネットプレー中心のスタイル

そして『オールラウンダー』の手塚と越前
総合運動能力に長けている為応用の利く器用さを持っている」

『今回は「カウンターパンチャー」と「サーブ&ボレーヤー」が全面を守り
「アグレッシブ・ベースライナー」と「オールラウンダー」が半面から攻撃の
5ラリー対決よ!


――ちなみに…』



そう言って桜は青い顔で隣に立つ乾を手で示した
視線は反対側を彷徨っていて意地でも乾の方を見ない
その乾はどこから出したのか分からない、不気味な色の飲み物が入ったコップを取り出した


「負けたらこの乾特製野菜汁を一気に飲まなくてはならない」


桃城と海堂の顔が露骨に引き攣った
その横でリョーマは目を瞑り一歩前へ出て何でもないように言った


「要するに、半面側は5球以内に決めればその変なの飲まなくてもいいんっスね」

「そう。俺達全面側は5球しのげば勝ち!」


そうしてラリー対決が始まった
最初は半面側の河村VS全面側の海堂だ


「1球目は不公平がないように俺が球出しするから」


乾はそう言ってボールを手にとった


「フシュウウ…」

「何がフシュ――だ。このマムシ小僧……」

『スイッチ入ったわね。見事に』


ラケットを握ると性格が豹変する河村はいつもの優しげな風貌をいかめしく変えた
本当に同一人物か疑ってしまう


「オラオラカモーン!!」

「(コノヤロウ)」

『はじめ!!』


桜の合図とともに乾が海堂に向けてボールを放った


「おっ海堂の奴いきなりいく気だ!?」





「スネイク!!」





海堂の十八番を河村は豪快に笑って軽々と打ち返した


「よっしゃーっマムちゃん!!5球しのいでみろ!!





バーニング!!





河村のパワーにボールを受ける海堂は押されていく
桜は思わず苦笑した


『相変わらず凄いパワーね
薫が押されてるし辛そう
それにスネイクが上手く使えてないわ』

「スネイクはコートの隅から隅へ走らす為のショットだからね
半面にしか打てないと狙い打ちされる」

『そうね。この練習は薫には不利かしらね』

「粘れ海堂!!全面側が攻めてどうする!守りきれ――っ!!」


しかし大石の応援空しく海堂は敗れた



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