頂を目指す二ノ姫U

□桃城と海堂のダブルス
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時間の関係で2面つかって2試合同時のダブルスが行われることになった
桜はスミレと河村にベンチを譲り、2試合を交互に見るために動きまわることにした
最初は心配の多い桃城と海堂のダブルスだ
桜の心配通り、2人の間には不穏な空気が漂っていた


「―チッ。よりによってお前とダブルスだと!?
桜先輩もなんでコイツとなんて…」

「そうクサるな海堂
せっかく決めてくれた桜先輩と、補欠になって出れねえタカさんの事も考えろよ」

「寄るな!」


桃城はラケットで海堂を軽く叩き、それを勢いよく海堂が払いのけた
そのため勢い余ってラケットが桃城の顎に当たった


「…おい、痛ぇだろうが…マムシ


桃城の言葉に、海堂は弾かれたように桃城の胸ぐらを掴んだ


「オイ。今なんつった!!」

放せよマムシ





「「やんのかコラ!!」」





胸ぐらを掴みあって睨み合う桃城と海堂に桜は頭を抱える


『(あーやっぱりかぁ…)』


リョーマは2人の様子に隣に立つ不二に問いかけた


「…あの二人仲悪いんっスか?」

「うん。キミが入部する前からのライバルだからね」


いがみ合いはもう日常茶飯事だからか、不二は当然のことのように言った


「海堂。足引っ張るなよ」

「テメーがな」


桃城と海堂はこれから試合だというのに、まるで2人が戦うかのように一触即発の空気を醸し出していた
観月はベンチに座ってその様子を眺めていた


「(この二人のダブルスが来るとは思ってなかった
んふっ。意外性を狙ったってワケだ―――――
けどいくら"見抜く者"がオーダーをいじってきたところで無駄ですよ
あなた達の個人データはすべて…
このボクの頭の中にインプットされてるんだから)」


桃城と海堂の対戦相手、柳沢慎也と木更津淳は観月同様余裕の表情をしていた


「おいおい。こりゃ楽勝だーね」

「あんな奴らに2ゲームも落とすかなぁ」

『(侮ってると痛い目見るわよ)』


桜はかじりつくようにコートを見ながら心の中で言った



「《ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ 青学サービスプレイ!!》」



サーブは桃城からで、彼は強烈なサーブを打った
それを返す木更津の行動を読んで海堂はポーチに出た


「おいおいバンダナ君。リーチ長すぎだーね」


柳沢は危なげなく打ち返し、木更津に声をかけて下がるが、


「おせーよ」





「ダンクスマッシュ!!」





ど――ん





海堂の後ろに走り込んでいた桃城が上がったボールをスマッシュで打ち込んだ
息のあったコンビネーションだ


「前衛をブラインドに使ってのダンクスマッシュ…!?やるだーね」


青学側は2人のプレイに沸いていた


「海堂先輩のポーチといい桃先輩のスマッシュといい二人共冷静〜!!」

「試合が始まった途端クレバーにプレイが出来るなんて尊敬…」



「スマッシュが浅ぇーんだよ。あれじゃ次は狙い打ちされるぜ」


「バカヤロウ。てめえこそポーチに出るんならしっかり決めろよ」




「「あんだとコラ〜〜〜っ!!」」





『やっぱそうなるわね』


青学側は湧いていたが、当の本人たちはケンカ腰のままだ
桜も息を吐きだして呆れた表情を浮かべた
リョーマは何の気なさそうに口を開く


「ふーん。どっちもまだまだだ「も――っだまってて。キミまで入ったらゴチャゴチャになるんだから」」


カチローはお決まりのセリフを言おうとしたリョーマの口を塞いだ



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