頂を目指す二ノ姫U
□桃城と海堂のダブルス
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「『…………』」
桜と手塚は、離れた所に居ながら桃城と海堂を見て1年前のことを思い出していた
「まだ素振り続けてんの?あの1年生ら」
『あら。根性あるわね』
「「((こいつには負けねぇ!!))」」
球拾いでも
「(負けねぇ)」
「(こいつにゃ負けねぇ!!)」
「あいつらが球拾いするとオレたちヒマだよな」
「うん」
2人はライバルとしていつも競い合っていた
『それじゃあ発表するわね。明日の練習試合の参加メンバーは…』
「1年前の光景を思い出すな…」
『懐かしいわね』
桜はしみじみと呟いた
すると桃城と海堂の口げんかがヒートアップして審判にも注意されてしまった
頭痛がしてこめかみの辺りを指で押して紛らわせる
毎回毎回彼らのケンカは時と場所を考えないので、桜の目下の悩みだ
『(ほんとこういうところは成長しないわね)』
「(仲間割れか。いいね。このまま…)」
「チッ、クソ!!この試合を終わらせるには…」
「そうだな」
2人は倒すべき相手を見据えて声を揃えた
「「とにかくあいつらをぶっ倒すか!!」」
ようやく見る方向が同じになり、桜も知らないうちに入っていた肩の力を抜いた
その後2人は1ゲームとられるものの2−1で押していた
桃城のダブルスにリョーマは面白くなさそうにしていた
地区予選の時を思い出していたのだろう
「へぇ――――出来るんじゃんダブルス」
『ちょっと複雑でしょ?』
「……別に………」
『(素直じゃないわね)まぁ、二人ともいい調子ね』
「ああ。特訓以上のものが出てるね………なぜかな。ん?」
乾はベンチに座って何やら不穏な気配を漂わせている観月を静かに窺った
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