頂を目指す二ノ姫Ⅱ
□桃城と海堂のダブルス
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「(わかってるよ観月。そうにらむなっつーの。たしかバンダナにゃ………)」
自身のマネージャーの視線に気付いた柳沢は海堂に向かってボールを打った
「(マグレか…海堂の苦手なバックのローボレーを的確についてきた！？)」
『(まだ克服してなかったか)』
海堂はボールを打ち上げてしまい、相手のチャンスとなった
「さがれ海堂、くるぞっ！！」
「え！？」
しかし木更津はスマッシュを打たなかった
「なっ空中で動いた―――っ！？」
「ドロップボレーだ！！」
『(桃！！)』
「させねーよ！」
桜の心の声を聞いたのか、桃城がネットに走り込んでボールを拾った
しかし冷静な木更津が桃城の打とうとするコースを塞ぎ、回避した違うコースに柳沢がきていた
「おしいだーね！」
『(冷静で緻密ね。ワザと桃を誘ったんだわ)』
顎に手を当てて桜は射抜くように柳沢と木更津を見た
「決まった――っ！！」
「ん――――いや…まだでしょう」
観月は冷静に髪をいじりながら口を開いた
「"タテ"と"高さ"に強い桃城くんと同様…"ヨコ"の動きには彼がいる
スネイクの海堂くん」
海堂は桃城が裏をかかれたボールに走り込んでいた
それを見て柳沢たちはザッと構えた
「おっいよいよ出すようだ」
「スネイクか！」
『！！』
２人の言葉に桜は反応し、海堂もスネイクを出さなかった
ボールは空しくネットに当たってしまう
「《１５－０ ポイント聖ルドルフ》」
『流れが悪いわ。しかもみんなのデータを細かく調べられてるわね』
「ああ。あのマネージャーのしわざだな…
でもそれを実行に移せるとは相手の二人もなかなか」
『補強組は伊達じゃないってことね』
すると、横で観戦していた堀尾が怪訝な声を上げたので、桜もそちらに顔を向けた
『……うそ』
桜は隣のコートの状況に絶句する
まさかの状況だった
いつも青学の勝利を支えているダブルスの要
彼らの実力を考えれば観ていなくても大丈夫だと思ったのだ
「《３－１ 聖ルドルフリード！！》」
『……まさか』
菊丸と大石の黄金コンビが、劣勢だった
→atogakizadannkai