頂を目指す二ノ姫U

□桃城と海堂のダブルス
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「青学レギュラー集合!ほれほれちんたらするんじゃないよ」


スミレの号令で続々と集まる青学テニス部
桜はオーダー表を取り出した


『準々決勝の対聖ルドルフ戦のオーダーよ』

「実質一番のキバリ所だ
これに勝って関東大会の切符を手に入れる!」

『じゃあ発表するわね』



ダブルス2  桃城武(2年) 海堂薫(2年)

ダブルス1  菊丸英二(3年) 大石秀一郎(3年)

シングルス3 越前リョーマ(1年)

シングルス2 不二周助(3年)

シングルス1 手塚国光(3年)



オーダーを聞いた桃城と海堂は同時に思った


「「((ダブルス…?))」」


桜は腰に手を当て、乾はノートを開いた


『じゃあみんな聞いて
聖ルドルフ学院は地方から優秀な生徒を集め、昨年あたりからかなりの補強を図ってるの
シングルスのテニス部部長、赤澤くんも健在。昨年ウチの先輩にも勝った経験を持ってるわ』


乾は意味ありげに不二を見た


「…それと不二の弟、裕太君の存在も気になるね
対左の練習を徹底して積んで『左殺し』と言われ始めてる
本人は『打倒兄貴』に燃えていると聞いたが…多分対手塚用だよ
あの新マネージャーが裏で糸を引いてそうだ」

「マネージャー?」

『補強組の一人よ』


桜は先程会った観月の顔を思い出していた






















聖ルドルフサイド

観月は青学のオーダー表を見て笑っていた


「(やはり狙い通りあの1年をシングルス3に持ってきましたね
"見抜く者"も期待ハズレだ)
すまない裕太君。むこうが逃げたようだ」


観月は歩いて来た裕太にそう言った
裕太は顔を伏せて不機嫌な様子だ


「あの乾というデータマン男と"見抜く者"神崎桜にまんまとやられました
兄弟対決をどうしても避けたかったらしい」


裕太は桜の名前を聞いて顔を上げた


「今回は残念でしたが裕太君はシングルス3であの1年を倒してください
……ん。聞いてますか裕太くん?裕太く…」

「いいっスよ。シングルス3ですね
でもその1年生、周助(アイツ)並に強くなきゃ怒りますよ!」


裕太は完全に観月に背を向けて歩き出した


「完膚なきまでに叩きのめしてやる!!」


兄と戦えないなら、せめて兄のいる学校には負けない
裕太はグッと拳を握った


「(桜さんに俺の成長を見てもらう…そして兄貴に……)」


決意の表情で裕太はコートへと向かった










――そしていよいよDブロック準々決勝 聖ルドルフVS青学の試合が始まる

しかしそれは同時に波乱への幕開けでもあった――



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