頂を目指す二ノ姫U
□新たな武器
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標的となった菊丸は逆により動き相手を引きつけ
「《30−30》」
「《30−40》」
ドンピシャなタイミングで大石の正確無比なショットが相手の死角を抉る!
「きまった―――!!ムーンボレー!!」
「《ゲーム青学 4−4!!》」
同点になったことに桜は顔を綻ばせた
「すごいすごい!!とうとう追いついた!!
大石副部長。ただ地味なだけじゃなかったんだ!」
「だてにゴールデンペアと呼ばれてないよ」
腕をぶつけ合った大石と菊丸
すると大石がふっと桜に視線を寄越した
桜が怪訝な表情で大石を見返すと、彼は菊丸を横目で見た
『(ああ。そういうこと)』
合点がいった桜はにっこりと笑って頷いた
それを受けた大石は口角を上げて桜に頷き返すと菊丸に声をかけた
「英二」
「う?」
桜は静かに話し合う2人を見て嬉しそうに笑っていた
『(さーってっと、練習の成果を見せてね)』
「嬉しそーっスね、桜先輩」
「そうだね。同点になった事が嬉しい?」
リョーマと不二に訊かれて桜は首をふわりと傾けた
さらりと艶やかな髪が肩から滑り落ちる
『みんなの成長ぶりが嬉しいわね。コーチとして鼻が高いわ』
「……なんていうか、子どもにしか見られてないっすね」
「うん……そうだね」
リョーマと不二は桜の言いように若干肩を落とした
「《ゲームカウント4−4!!チェンジサービス
青学 大石サービスプレイ!!》」
審判の声が響き、赤澤は後衛の金田に目だけを向けた
「金田!大石のバックを狙うぞ
―どうした?」
「部長。あれは…」
金田は戸惑いの声を上げた
それは彼らだけではない
「青学ファイっ…」
「あれ?」
歓声が止んで、聖ルドルフ側も、青学側も驚いた
コート内の菊丸の位置
「!?」
「何だあのフォーメーション!!?」
観客の驚愕の声に観月も弾かれたように反応した
桜は悪戯が成功した子どものように目を細めて笑った
彼らの反応が面白くて仕方がない
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