頂を目指す二ノ姫U

□底力
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一方ダブルス2の桃城・海堂ペアの試合はダブルス1を上回る大荒れの試合となっていた


『(40分経ってまだ3−2って
かなり手強いわね。柳沢君と木更津君)』


桜はスミレと話している桃城と海堂を内心ハラハラしながら見ていた
そして聞こえてきた言葉に肩を落とした





「「精神力/体力で勝つ」」





『(見事に食い違ってる…)』


気合を入れる2人だが言ってることはバラバラだ
コートに戻った桃城と海堂に柳沢が声をかけた


「よう!ウチの優秀なマネージャーが言ってたけど、お前らのデータを分析してシミュレートしたら…
オレたち6−2で勝つらしいだーね」


柳沢はネットに肘をついてさらに言い募る


「今の所その通りにお前らは2ポイントのままだーね
観月のシナリオは怖いくらいだーね
お前らの所のマネージャーよりも当たるだーね」

「「!!」」


マネージャーの言葉に桃城と海堂の肩がピクッと反応した


「"見抜く者"の噂はよく聞くだーね
だがあの程度じゃ観月には敵わないだーね
ちなみにダブルス1の予想も…」





「「うるせーんだよアヒル!!
桜先輩のことを悪く言うな!!
」」





一糸乱れず、憤怒の形相で桃城と海堂は柳沢に言い放った
スミレは感心したように笑う


「おお。そろいおった。桜もやるのぅ」

『(英二達の方を見てよう)』


いたたまれなくなった桜はダブルス1に目を移した

しかしこっちも不安な展開だった
大石と菊丸は完璧に押され、ゲームカウントは6−5。しかも逆転されていた


「あと1ゲーム1ゲーム!!」

「ルドルフー!!」

「青学青学」

「先輩ふんばれぇ〜」

「そうだ!!いい所までまき返したんだ!」


そう言う一年に不二は複雑な表情をした


「どうだろう…
中盤まであの技で削られた英二の体力のコトが大きく影響しているからね」

「うっあのブレ球かあ」

『難しい所ね……』


「《メンバーコートへ》」



審判の声がかかりコートへと向かう選手達
しかし一人だけベンチから動かなかった


『(えっ……)』

「青学!時間だよ
すみやかにコートへ入りなさい」

「え」


大石は慌ててベンチを振り返った
ベンチから動かなかったのはタオルを頭に被った菊丸だ


「英二!!?」

『(……英二)』


桜は不安げな目で菊丸を見た
ここからでも分かる菊丸の憔悴ぐあいに思わず手を組んだ

菊丸はそれからゆっくりと立ち上がってコートへと歩き出した
その表情はしっかりとは見えないが辛そうだ


「赤澤君のワナに自ら飛び込む形で試合をリードしてきたんだ」

『元々英二はそこまで体力がある方じゃない…限界なのかもしれない』


桜は口を引き結んだ



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