頂を目指す二ノ姫U

□番狂わせ
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そして試合終了の合図



「《ゲームセット!!ウォンバイ不動峰 橘 6−0》」


「ワリーな。15分で終わっちまった」


けた外れの橘の実力に氷帝のみならず青学も騒然となった
桃城も口をあんぐりと開いている


「マジすか?タッチー」

『(タッチー?)そう。彼は……九州地区2強の一人…

「橘桔平。アイツは全国区だよ」

「ええーっそんなにスゴイ人だったんだ!!」


大石は困ったように零した


「最初から気付いてたなら言ってくれよ手塚、桜」

「ああ…九州地区2強とうたわれる獅子楽中2年生エースだった男だ!」

『去年は金髪だったからみんな気付かなかったのね』

「へえ…」


リョーマは面白そうに口の端を上げた





こうして3試合で決めにかかった不動峰がベスト4入り
準決勝に進出した






















『たしかこっちに行ったわよね…』


桜はとある人物を探していた
青学メンバーには黙って来たため早々に見つけたい


「…………ええ…。準々決勝でまさかウチが敗れるとは…
…………もちろんです」


唐突に声が聞こえ桜はその方向に足早に向かった
そこには探していた人影


「それと来週までにジローの奴を呼んでおいて下さい!」


電話を切った跡部に桜は静かに近づいた


「まあいい
結局5位決定戦(コンソレーション)に勝ち残りさえすれば関東へ行けるしな!
そうだろ?桜」

『………』


跡部に視線を向けられた桜は憂いを含んだ目で彼を見返した


「どうした。もうすぐ閉会式だろう?」

『ええ。ちょっと景吾に聞きたいことがあって』

「宍戸なら正レギュラーから外したぞ」

『!!』


桜は聞きたかった事を先回りされて一瞬怯んだ
跡部は不敵な笑みを浮かべたまま桜を射抜くような眼差しで見下す


「我が氷帝は実力主義。負けた者は落とされる
当然だ。こればっかりは桜が何を言おうと変わらねぇ」

『………そう。そうよね。分かってる』


桜は絶対的な強者の言葉に頷いた
氷帝の在り方に首を突っ込むなどお門違いだ
そもそも桜はそのことについて文句をつけに来たわけではなかった
ただ一言、言いたい事があっただけだ



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