頂を目指す二ノ姫U

□番狂わせ
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青学の試合後行われた準々決勝 氷帝学園VS不動峰

――――そこには氷帝応援団の声はなく





「《ダブルス2 6−4ゲームセット ウォンバイ不動峰 石田 桜井!!》」





「《ダブルス1 6−1ウォンバイ不動峰 伊武 神尾!!》」





『氷帝がダブルス2連敗か』

「先手必勝。不動峰ペースだな」

「あの氷帝軍団が静かだもんね」


明らかな劣勢に静まり返る氷帝
その中で喝を入れる声が響いた


「お前ら自分達が氷帝の看板背負ってるの分かってんのか?
無名校ごときに何油断してんだよ」

「で、でもあいつら本当強ぇんだよ」


喝を入れた宍戸は呆れたように言う


「…負けといて言いわけか。ダセェな。激ダサだな」

「宍戸…」

「とっとと向こうで休んでる跡部達を呼んでこいよ
"オレ達が負けてシングルス1・2にも試合させる事になりました"ってな」


そして宍戸はコートに入っていった
その様子を桜は心配そうに見つめている


『(亮……)』

「不動峰のシングルス3はどいつだ?
俺が20分で終わらせてやるぜ」

宍戸だ!

「そうだ!次からは正レギュラーだった」

「ざまあみやがれ不動峰め」


活気を取り戻した氷帝コールが始まり、悠然と宍戸は歩き続ける
不動峰からは、地区予選から沈黙を保っていた彼がとうとうラケットを握った


「そろそろ俺も体がナマっててな
やらせてもらうぜ


そう不敵に笑う橘に宍戸は余裕の表情だ
しかし桜の表情は強張っていた


『(………橘くんは…………)』

「橘…か。見ておいた方がいいよ」


乾もそう言ってノートを手に取った



「《これよりシングルス3を始めます!!
ザ・ベスト・オブ・1ゲームマッチ 氷帝サービスプレイ!!》」


「ウルセーなあ」


橘は氷帝コールを煩わしそうに呟いた
つい氷帝軍団に目を向ける


「いいのか。よそ見しててよ!!」


そのスキに宍戸はサーブを打つ
宍戸はライジングを駆使し橘をベースラインに釘付けにさせ、優位に立っていた

かに見えた


「……よう。もう充分楽しんだだろ





そろそろ前でてもいいよな?





『!!(これが………彼の……………)』


観客全体が息をのむ
桜は震えそうになる手をぎゅっと握り込んだ



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