頂を目指す二ノ姫U

□明日のために…恐怖のペナル茶!!!
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『ペナル茶』への恐怖は皆の奮起を促したが……
さすがに周を重ねるたび一人一人とまた脱落していった
そして



『(……34周目…)』

「おやおやだらしがないねぇ!!
残ったのはレギュラーだけかい?」


彼らは足にパワーアンクルを付けたままにもかかわらず、部員の誰よりも早く長く走っていた
桜はそれを当然と言った表情で見て声を張り上げた


『それじゃあラスト一周!』

「ビリの人に特製汁ね!」

『ジョ…ジョッキ!!』


桜はまさかジョッキがくるとは思わずに口に手を当てて後ずさった
乾は桜の方を向きジョッキを差し出した


「ん?飲むかい?」

『全力で遠慮させていただくわ!っていうかこっちに近づけないで!!』


顔面蒼白になりながら桜は乾から素早く距離をとった


「ふむ。残念」

『残念、じゃないわよ』


激しい動機に桜は胸を手で押さえた
乾は満足そうに眼鏡を上げた


「どうやら少し元気が出たようだね」

『え?』


唐突に言われて桜は首を傾げた
乾は微かに笑っている


「今日はどことなく元気がなさそうだったよ
まぁ気付いたのは手塚を見ていたからだが」

『国光を?』

「ああ。手塚は桜に何かあると表情に少し出るからね」


面白いデータがとれた。とお決まりのセリフを聞き流して桜は苦笑した
気付かれないようにしていたはずなのに気付かれていたとは


『(国光には敵わないなぁ…)』


それは死神としてどうなのかと思う半面、何故か嬉しくもあった















ところで乾汁ジョッキを見たレギュラーは俄然やる気を出していた
トップを走る桃城と海堂は例の如く喧嘩を始めた


「よっしゃ負けらんねぇ!!うおっ」


ぶつかってきた桃城に腕を振る海堂
桃城は慌てて避けた


「やんのか海堂!!」

「テメーが落ちろ!!」

「体格的に割って入るのは不利だね」


二人を後ろで見ていた不二はそう零した
その不二の後ろを走っていたのはリョーマだ
彼は壁に立てかけられていた"あるもの"を見て、それを手に取った
後ろを走る河村に向かってニヤッと笑う





邪魔だ!バーニング!





「「ぬう!!行かせるか!!」」


海堂と桃城の間を割ったのはラケットを持ち、性格の豹変した河村だ
リョーマは河村にラケットを手渡したのだ
その河村の背中を使って菊丸がジャンプし先頭に躍り出た



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