頂を目指す二ノ姫Ⅱ
□真剣勝負
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試合は不二のサーブから始まった
難なくサーブを返すリョーマの動きを見て不二は思考を働かせる
「(リターンで攻め込む気か！？)」
『(さすが周助
左右に振って足留めさせるつもりね)』
「(さすがやるじゃん………！！――でも)」
左のスペースに打ちこまれたボールに追いつき、リョーマは強く打ち返した
『あらあら』
「(攻めあるのみ！！)」
「おおっ――！！」
「越前の奴かまわず打って出た！？」
「なんて強気な！！」
桜はボードにペンを走らせつつ試合展開を観察している
『(……すごいスピードよね、本当
一本足のスプリットステップだからこそ…か)』
不二の放ったボールにすぐに反応し、リョーマは打ち返す
しかしそれも不二に捉えられた
「ちぇっ。今の決め球だったのに
サラッと拾うんだもんなぁ」
憎まれ口を叩くリョーマだがその表情は楽しそうだ
対する不二もいつもの柔和な笑み以上に楽しそうに笑っている
２人は同時に呟いた
「「おもしろい」」
「(『三種の返し技(ﾄﾘﾌﾟﾙｶｳﾝﾀｰ)』受けてみるかい！？)」
「(『ドライブＢ』で崩してやる！！)」
リョーマと不二の表情を見て桜はにっこり笑った
『２人ともいい顔してるわ』
試合は何も仕掛けないままどちらも１ゲームずつとっていた
『まだ２人とも探り合ってるわね』
「どちらが先にしかけるか…」
桜の言葉を聞いた手塚はそう口にした
不二とリョーマは激しいラリーの応酬を繰り広げていた
その時、リョーマのショットでボールがネットをかすった
「(球速が変わった！？)」
「(よしここだ――――っ！？)」
それを見たリョーマが前へと動いた
「やはり先に攻めたのは越前だ！！」
不二は冷静に対応して彼の足元を狙う
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