頂を目指す二ノ姫U

□真剣勝負
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「いきなりこんな試合が見られるなんて」


部員は驚きの表情で続々とコートの周りに集まってきた
彼らの視線の先には2人のレギュラー


「スゲェ事になってきたな」

「一体どっちが強いんだ…?」

不二先輩と越前…





「お手やわらかに」





「(今度は兄貴の方ね…)」





『(フフッ。闘志が漲ってるわね)』


リョーマのギラギラした目を見て桜は口に手を当てた
審判台の脇に立ってクリップボードを構える
そして後ろを振り返った


『貴方たちはどうみる?』


「不二」

「不二」

「不二」


と菊丸、乾、河村が口々に言った
そこに違う声が割り込んだ


「越前!」


そう言ったのは桃城だ
桜は面白そうに目を細めた


「本当はオレがやりたい相手っスよ」

「ケッ」


桃城を睨みつける海堂だが、心の中では桃城と同じ事を思っているのかもしれない
桜はフーンと納得したように頷いてコートに視線を戻した


「って、桜はどうなの?」


菊丸にそう訊かれて桜は小さく唸った


『…そうねぇ………今の所…周助…かな。今の所は、ね』


「へぇ…」


そう言った桜はしかし曖昧な表情をしていた


『(本当難しいわ
周助のアレがある限りリョーマが勝つことは難しい
でもリョーマののびしろは未知数
もしかしたらリョーマが勝つかもしれない…
ま、試合が最後まで出来ればの話だけど…)』


桜は空を見上げてそんなことを思った

リョーマは疲れているにもかかわらず、スプリットステップを使い始めた
これには桜も思わず感心したように呟く


『まだあれだけ体力があったのね』


「不二先輩…」


リョーマは力強い目で不二を見据えた





倒しちゃってもいーんすよね?





「ザ・ベスト・オブ・1セットマッチ 不二サービスプレイ!!」


審判台に座る手塚の声が響いた



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