夜空を纏う四ノ姫2

□選ばれる役者
2ページ/9ページ





「お、それがボンゴレリングか」

『そうよ』

「なんだ。宍戸先輩も知ってたんスね。桜も」

「さっき桜から聞いてな
それにしても変な形してんな」

「そういやそーだな」


宍戸の言葉に獄寺も自分のリングをしげしげと観察する
不自然な位置の断面に首を傾げる獄寺たちに、ツナは声を上げた


「つーかなんで!?なんで獄寺君と山本にも…!?」





選ばれたからだぞ





するとリボーンの静かな声が割り込んできた
振り向いた先にディーノとリボーンが佇んでいる


「ボンゴレリングは全部で8つあるんだ
そして7人のファミリーが持ってはじめて意味をもつんだからな」

「……おい。数が合わねーぞ」

「そ、そーだよ!なんで8つのリングで7人なんだよ!」

「それは後で話してやる
それよりお前以外の6つのリングは





次期ボンゴレボス沢田綱吉を守護するにふさわしい6名に届けられたぞ





リボーンからの衝撃の一言に、ツナは目を見開き顎が外れたように口を開いた
あまりのことにキャパオーバーという事態に陥っているらしい


『あら、ツナったら固まってる』

「激ダサだぜ沢田」

『それ久しぶりに聞いたわね』


こそこそと話していると、硬直が解けたらしいツナが叫んだ


なぁ!?オレ以外にも指輪配られたの〜〜〜〜!!?」

「そうだぞ」

『まぁ、ボンゴレの伝統だからね』

「そうなのか?」


不思議そうに聞き返す宍戸にリボーンが深く頷いた
そしてゆっくりと説明するために口を開く


「ボンゴレリングは初代ボンゴレファミリーの中核だった8人が
ボンゴレファミリーである証として後世に残したものなんだ
そしてファミリーは代々必ず7人の中心メンバーが7つのリングを受け継ぐ掟なんだ」

「それで後継者の証とかってー!?っていうかまた数字違うし!!」

「どうやら1つは特別なものみてーだな」

「その通りだぞ宍戸」


桜は頭を抱えるツナを見て、なぜか俯いている獄寺に目を向けた
小刻みに震えている彼に思わず口角を上げる


『(ま、感極まってってとこかしら)』

「10代目!!」


桜の予想通り、獄寺は拳を握り締め感涙していた
嬉しそうなオーラを撒き散らせていて獄寺とは思えないほど喜んでいる


「ありがたき幸せっス!!身のひきしまる思いっス!!」

「(めっさ喜んでるよ!!)」

『(分かり易いわね〜隼人は)』


桜は思わずクスッと笑った


「獄寺のリングは「嵐のリング」
山本のは「雨のリング」だな」

「名前があんのかリングに」

「そーいや違うな」


宍戸はしげしげとリングを見つめた
獄寺も観察するように角度を変える
ツナは眉を下げた


「なんだ…?嵐とか雨とか……天気予報………?」

『初代ボンゴレメンバーは個性豊かなメンバーでね
その特徴がリングにも刻まれているのよ』



初代ボスは


すべてに染まりつつすべてを飲みこみ包容する大空のようだった


と言われている





ゆえにリングは「大空のリング」




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ