夜空を纏う四ノ姫2

□選ばれる役者
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「やばいでしょ!?しかも下手したらたった10日でだよ!!」

「あいつ…来んのか…」


明らかに目を伏せる2人
宍戸は仕方なく、まくしたて続けるツナの肩を叩く


「おい沢田。二人とも聞いてねーぜ?」

「………あれ?ど…どーしたの二人とも…」


ツナが恐る恐る声をかけると、山本は顔を上げて控え目に笑った
リングに目を落とす


「これオレんだよな。やっぱもらってくわ」

「えっ!!?」

「負けたまんまじゃいられねー質みてーだな、オレ」

『頑張ってね、武!』

「おう!」


走り出した山本を追いかけるように獄寺も走り出す


「オレも10日でこのリングに恥じないように生まれ変わって見せます!!
次は奴をぶっとばします!」

「ちょっ獄寺君まで………!!」

「じゃーな、獄寺!頑張れよ!」

「うっせー宍戸!」


片手をあげて挨拶した宍戸に獄寺はへっと笑って病院から出て行った
ツナは何が何だか分からない表情でそれを呆然と見送った


「やるな沢田。あいつらを焚きつけやがった」

「だな。鍛える気マンマンになったみたいだぜ」

「え゙―――!!そんな〜〜!
シャレになんないって!!」


宍戸とディーノに言われてツナは頭を抱えるしかなかった
意図せずに彼らの背中を押してしまったのだから当然だ
桜は思案気に顎に手を当て、床に降り立つリボーンに言う


『10日間で残り4人の守護者達も鍛えないとヴァリアーには勝てないわね』

「ああ」


リボーンはなぜか帽子をとり、服を脱ぎ始めた
ツナはリボーンを見下す


「つーか誰なんだよ。あと4人って…」

「どいつもお前のよく知る人物だぞ」


そう言われてツナはハッとして宍戸を振り向いた


「ま、まさか宍戸さん!」

「は?」

「ちげーぞ
ちなみにもうすぐ「晴のリング」を持つ奴が来るぞ」

「えっ…晴…?」


宍戸はそれを聞いて何やら顔色を悪くさせて桜に口を開いた
恐る恐る、と言った感じだ


「な、なぁ桜
俺スゲー嫌な予感がすんだけどよ」

『…すごいわね。多分その予感は当たってるわ』


なぜならリボーンがスーツを脱いだかと思うと
ゾウの被り物を被り、両手にグローブをはめたからだ
それはボクシングスタイル。その名も





パオパオ老師!!





「ま…まさか…」

『来たわね』

「あのボクシングバカ……」





オレを鍛え直してくれるというのはまことか!!?





勢いよく入って来たのは、左手の中指に光るリングをはめた了平だった


「おぉ!桜に宍戸ではないか!!」

「……やっぱり笹川だったか…」

『相変わらず元気ね、了平』


宍戸と桜は引き攣った笑みを浮かべて手を振った
ツナは京子の兄の登場に慌てふためいている


「待ってくださいお兄さん!!状況わかってるんですか!?」

「敵を迎え撃つのだろ!?相当緊迫してるらしいな!!」

『(……まともなこと言ってるけど…)』

「昨日のできごと。10日後のこと。指輪の話も聞いたぞ……」

「え…(ちゃんと…わかってる…)」


了平のその言葉にツナは一瞬ホッとしかけた
しかし次の瞬間了平は拳を握り締めた



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