頂を目指す二ノ姫V

□パワー勝負
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「うわぁ凄ぇーっ!!
あんな重い団旗を片手で持つなんてっ」

「20sはあるぜぇ!!」


風にはためく団旗に桜も感嘆の目で河村を見た
すると頭上から特徴的な声が聞こえてきた


「おいおいまいっただーね」

「あっ聖ルドルフのアヒルと不二先輩の弟の裕太君だ!?」

「「コラーッ!!」」


目を三角にして怒る柳沢と裕太
不二は弟の姿に表情を緩めて彼に問いかける


「裕太。応援に来てくれたんだ」

「ま、まあな…」

『フフッ。今日は素直ねぇ』

「なっ桜さん!!」

『はいはい』


桜は顔を赤くする裕太を笑いながら軽くあしらった
そして唖然と河村を見る柳沢に視線を向けて不敵に言う


『タカさんの力。凄いでしょう』

「ああ。バカ力だーね
けどよ…アイツはもっと凄いだーね」

『ま……樺地君も確かに凄いけどね…』


寝ている金髪の少年を片手で掴み上げる樺地を見て柳沢はそう零した
桜もその様子に思わず目尻を下げた























『いい、タカさん?この試合は恐らくパワー対決になるわ
貴方の力が最大限に発揮できる試合よ
でもだからといって我武者羅に力を込める様なことはしちゃだめよ』

「うん。分かってる。大丈夫だよ桜」


ベンチの前に立つ河村はそう言って笑った
しかし桜は疑り深く河村を見上げる
レギュラーたちは揃いも揃って頑固で負けず嫌いで
しかも何をしでかすか分からないのだ
そんな桜の心中を理解したのか、苦笑してくるりと背を向ける彼に声を投げかける


『自信もって、貴方のパワーをぶつけなさい……ってちょっと待って
ラケットラケット!忘れてるわよ』

「ああ〜っ」


慌てて戻ってくる河村に苦笑してその背中を押しだした


『いってらっしゃい』


河村はネットを挟んで樺地と相対するなり大声を上げた
ラケットを持ったことによるバーニング状態だ





グレイトー!!



よく来たな小僧ぉ



ウェルカ――ム!!



よっしゃ燃えるぜバーニング!!





『うわぉ』

「でた――っ河村先輩にスイッチ入った!!」

「やったぁ。敵も驚いてるよ!」

「あの変わり様誰だってビビるって…」


しかし当の樺地は良く分かってない顔をしていた
動揺は一切見られない
そのことに桃城と菊丸の方が驚いていた


「タカさんのバーニング攻撃が効かないなんて」

「強敵だ」

『(アハハ…)』


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