頂を目指す二ノ姫V

□頂上対決
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手塚がコートに入った事で会場はざわついていた
しかし、彼らの登場でさらに騒がしくなる


「おい見ろよ奴ら………





第3シード千葉代表六角中ーっ!!





『(もう試合終わったのね、流石
………山吹も無事に来てるし……それに………)』


続々と集まって来る各校の選手たち
それだけ注目されているのだろう
テニス界が注目している手塚と、彼の試合を
そしてそれは彼らも同じだった


「おっとお。手塚さんの試合間に合いましたね
しかも桜さんベンチコーチしてるじゃないっスか〜」

『(来たのね)』





王者立海大附属も来ている!!





「(真田…)」


鋭い視線で見下す真田に、見上げた手塚も険しい表情だ
桜は手を振って来る赤也に苦笑して軽く手を上げた
ジローは今まで桜と手塚のやり取りを見て放心していたが、気を取り直した


「なるほど。オメェんとこの部長さんね!納得!
でも手塚は別格でしょ!」


彼は高校テニス界やプロにまで一目置かれている
ゆえに視察の数も半端ではない
不二もそれに頷き、そしてもう一人に目を向ける


「まあね。それと多分…もう一人」





おい手塚。ウデなまってねーよなあ。アーン





氷帝学園のキングは尊大に言い放った
跡部の言葉に安堵したかのように、氷帝応援団は余裕の表情を見せる
彼の登場で氷帝側は跡部の勝利を確信したかのようだ
跡部への信頼のほどがよく分かる
生唾を飲む氷帝の前で、跡部はおもむろに左手を上げた
それが合図だった



「勝つのは氷帝!!」


「負けるの青学!!」


「勝つのは氷帝!!」


「負けるの青学!!」


「勝つのは氷帝!!」


「負けるの青学!!」


「勝つのは氷帝!!」


「負けるの青学!!」


「勝者は跡部!」


「敗者は手塚!!」


「勝者は跡部!」


「敗者は手塚!!」



「勝者は……」




パチン






「俺だ」





指を鳴らした跡部が豪快にジャージを脱ぎ捨てた
その瞬間湧き上がる歓声に桜は苦笑いを浮かべる
相変わらずの派手さに言うべき言葉が見つからない


「もういいのか?」

「ああ満足だ」

『(あの応援や歓声に表情を変えないなんて…
国光も凄いわよね……)』


大して気にしていないらしい手塚は跡部と拳を打ちつけ合った
桜はそれを見て深く腰掛ける
照りだした太陽で熱くなった頭を無意識に押さえた


「全国大会でもないのに凄い応援団とギャラリーっスね。真田副部長」

「相変わらずだな跡部」


赤也と真田も跡部のパフォーマンスに口々に言う
しかし跡部の実力を知っているからこそ、それ以上は何も言わない
不意に跡部が桜に不敵な笑みを向けた



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