夜空を纏う四ノ姫2

□嵐の守護者の対決
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『早いわね、みんな』

「あ、桜!!」


校門の前にはお馴染みのメンバーが揃っていた
ツナとバジル、山本と了平は桜を見て神妙な顔をした


「やっぱり桜とも来てないか」

『…隼人のこと?』


肝心の嵐の守護者の獄寺が来ていないことに眉を顰める
先程会っただけに桜は口元に手を当てた


『……シャマルに止められてるのかもしれないわ』

「そうだな。シャマルのことだ
勝機のねー戦いに弟子を送り出すはずねーからな」

「え!じゃあ…」

「新技が完成してねーんだな」

「そんなっ!!」


ツナは周りを見渡して獄寺の姿を探す
しかし彼は影さえ見えない


『とにかく、校舎の中に入って待ちましょう』

「そうだな。タコヘッドも遅れているだけかも知れんぞ!!」


了平を先頭に桜たちは校舎に向かって歩き出した
校舎に明かりがついていたのだ
きっとそこが次の対戦場所だろう


「なぁ、桜」


すると山本が桜に目尻を下げて声をかけた
その声音に若干心配そうな様子が窺えて桜は首を傾げる


『なに?武』

「その腕。大丈夫か?」

「あっ!!そういえば!!」


ツナも慌てて桜の右腕を見た
昨夜チェルベッロの一人をザンザスから庇い怪我をした腕には包帯が巻かれている
心配そうな彼らに桜は苦笑して大丈夫というように腕を振った


『ちゃんと手当てしてもらったから大丈夫よ』

「そっか。ならよかったのな」

「うむ。極限に安心したぞ!!」

「で、でも待って!まさかシャマルに!!?」


焦るツナに桜は首を振る


『ああ、違うわ。精市にね』

「せいいち殿…ですか?」

「せいいち、っていうと、あの野球大会で会った奴だな」


良く分かっていない顔したバジルに軽く友人であると説明する
そして確認するリボーンに頷くと、山本は気が付いたように声を零した


「そーいや裕太は来てないのな」

「宍戸もだな」


前の2試合で桜と共に来ていた彼らが今日は見当たらない。桜一人だ
桜はフフッと笑って手を振った


『毎回来るわけじゃないわよ
今日は待ってるって言ってたわ
あと、頑張って来いって』

「そうなんだ
宍戸先輩はさっきまで一緒だったから来ると思ってたよ
途中でいきなりいなくなっちゃったけど」

「裕太とは今日会ってねーな」

『ちょっと用事が出来たって朝から留守にしてたの』

「へぇ。そうだったのか」


桜の説明に山本が頷いた
するとバジルが口を開く


「宍戸殿というのは笹川殿の時にいた方で、不二殿というのが」

「ランボの時だぞ」


不思議そうなバジルに桜はそういえば、と顔を向けた


『バジルとこうやって話すのは久しぶりね。最近はお互い忙しくて』

「そうですね。ご無沙汰しておりました、桜さん!」


表情を明るくさせたバジルに桜はええ、と頷く


『もう怪我の具合はいいのね』

「はい。親方様の薬のおかげでもうなんともありません!」

『なら良かったわ』


ふんわりと微笑む桜を見たツナがハッとした
スクアーロが襲撃した際バジルと桜は顔見知りの様だったのだ


「なんかドタバタしてて忘れてたけど…
桜って父さんともバジルくんとも知り合いだよね
門外顧問の人達と仲いいの?」

『そういえばこれも言ってなかったわね
私は9代目の秘書という立場上複数の組織を統括しているのね
だからその組織に身を置いて任務をこなしたりもするようにしているの
何時であってもファミリーにおいて最善を尽くすことが私の責務
だから、肩書上門外顧問チームの一員でもあるのよ』


その説明にツナは驚いた
まさか桜がそれほど多岐に渡ってファミリーに貢献しているとは思わなかったのだ
ましてや門外顧問はボンゴレであってボンゴレ出ない者だ


「だから桜はスクアーロの襲撃を迎え撃つことが出来たんだぞ
こいつがただの9代目の秘書だったら
ヴァリアーであるスクアーロと剣を交えることは許されないからな」



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