夜空を纏う四ノ姫2

□雲の守護者の帰還
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すると、スクアーロが面白そうに口端を吊り上げた


「ゔお゙ぉい刀小僧!!
貴様その動きどこで身につけたぁ!?」


一歩前に出て言うスクアーロに山本は眉間にしわを寄せる


「気に入ったぞぉ!!
これで貴様の勝つ可能性は0%から





やはり0%だぁ!!





「!!」

『……』


その物言いに桜も唇を引き結ぶ


「明日が貴様らの最後!!首を洗って待つがいい!!じゃあなぁ」


そう言ってヴァリアーは窓から消えて行った

桜ははぁと息を吐いて肩を落とした
雲雀が仲間になるかは甚だ疑問だが、何にせよ修業から帰ってきたのだ
どれだけ強くなったか気になるところだ


「ってゆーか獄寺君治療しなきゃ!」

「これくらいカスリ傷っス」

「やせ我慢をしてもカッコが付かないぞ。その怪我は」

「うるせー!」

「Dr.シャマルに診てもらったらどうでしょう」


バジルがそう提案するが、桜は苦笑するしかなかった
その考え通り、シャマルは獄寺に背を向け手を振った


「オレ男は診ねーから。桜なら大歓迎だけどね〜
バイビ〜桜、日吉」

「え゙っ!!?」

「あーゆー人なんだよ」

「だな。本当にあの人は…」


日吉がため息をつくと同時に、背後から声がした
その声にツナはハッとして振り返る


「しょーがねーなー。ロマーリオ、かわりに診てやれ」

「また随分と派手にやりましたね」

「!この声…ディーノさん!木手さん!

「永四郎さん!!」

『お帰りなさいディーノ。永四郎』


雲雀の家庭教師であるディーノとロマーリオ
そして彼らについて行った木手
3人がそこにいた
ディーノと木手は顔に絆創膏をつけていて、修業の激しさを物語っていた


「ヴァリアーと入れ違いになったみてーだな
恭弥はまだ見てねーだろ?」

「いえ…」

『さっき、リョーマと真っ先にここへ来たけど?』

「な!?」

「いつのまに……」

「心配すんな。あまり暴れずに帰ったぞ」


リボーンにそう教えられ、ディーノはホッとしたように表情を緩めた
どこか疲れの見えるディーノに問いかける


『それで?恭弥を並中から遠ざけて、一体どこにいたの?』

「え?雲雀さんを遠ざけた?」


不思議そうなツナに木手がええ、と頷く


「並中が好きなのでしょう恭弥君は
ですからここでリング争奪戦が行われて校舎が壊れようものなら
あの人はキレて暴れるでしょう」

「確かに!!」

「それを防ぐためにあらゆるシチュエーションでの勝負ってことで
修業の地を並中から遠ざけたんだ…
おかげで海・山・川……あらゆる環境で奴を鍛えることができた」

「壮絶そうだ…!!!」

「……“そうだ”なのではなく本当に壮絶でしたよ
さすがに私でも疲れました…」


白目をむくツナに木手が重たい空気を吐き出した


「お疲れ様です。ところで永四郎さん
委員長のことを名前で呼ぶことにしたんですか」

「ええ。成り行きでそうなりました」

「で、ヒバリはどれくらい強くなったんだ?」


リボーンの問にディーノは「どーかな」と曖昧に答えた
木手も眼鏡を押さえて目を細める


「強くなったのは確かだが、どれくらいかはオレでもわかんねーな」

「彼の成長は底なしですからね」


ディーノと木手のしみじみとした言葉にツナは生唾を飲み込んだ
山本も楽しそうに笑う


「そうこなきゃな」

「さすが……下剋上だ」


ぼそっと呟いた日吉の言葉を聞いて桜は思わず小さく噴き出してしまった


『(なんにせよ、明日は雨の守護者の戦い…)』





ヴァリアーのボスになる筈だった男、スクアーロと山本の戦いだ








→Un afterword
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