夜空を纏う四ノ姫2

□雲の守護者の帰還
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「レヴィ隊長!!
校内に何者かが侵入しました
雷撃隊が次々とやられています!!」

『あらあら。連絡してもらったの朝なのにもう帰って来たのね』

「え?桜何か知ってるの?」

『ええ。あいつが修業から帰って来たのよ』

「あいつ?」


その時、雷撃隊の一人が吹っ飛んできた
ツナたちとヴァリアーの間の廊下から現れた人物にツナは目を剥く





「ヒバリさん!!それにリョーマ君!!」





「……なんか面倒臭い時に来た気がするんだけど………」


顔を顰めた越前に桜は曖昧に笑った
完璧に巻き込まれたらしい
しかも一緒に行ったはずの木手の姿が見えない
どうやら置いてきたらしいと結論付けた

ツナは雲雀が味方だということに興奮するが、雲雀の言葉に打ちのめされた


「校内への不法侵入及び校舎の破損
連帯責任でここにいる桜以外全員咬み殺すから」

「なっオレ達もかよ!」

「あの人校舎壊されたことに怒ってるだけだ――!!」

「あいつ本当に学校好きな」


朗らかに笑う山本とは反対に日吉は雲雀の言葉に渋面を作った
溜息をつきそうな勢いで呟く


「……俺もですか…」

『そうみたいね。でも恭弥、私は何で咬み殺さないの?』


項垂れる日吉の肩を桜は宥めるように叩いた
そして首を傾げて問いかけると雲雀はニヤッと笑う


「桜には本気で戦ってもらうから」

『………それもイヤかも…』


そう肩を落とす桜に日吉は先程のお返しとばかりに肩を叩いた
越前は同情の視線を向けている

満足そうな雲雀の背後でチェルベッロが静かに言った


「あなたは沢田氏側のリング保持者ですか?
でしたらこのような行為をされては…」

「どけチェルベッロ」


チェルベッロを押しのけてレヴィが雲雀に向かって行った
己の部下を倒され腸が煮えくり返っていたのだ


「奴はただの不法侵入者だ!!!」


雲雀は突進してくるレヴィを一歩横に移動して躱しなおかつ足を引っ掛けた
レヴィは勢いよく地面に倒れ込む
雲雀はトンファーを構えレヴィを見下した


「まずは君から咬み殺そうか」

「なに!?」

「カッコつけ過ぎ」

『あらあら。いいじゃない
レヴィとはいえヴァリアーの足引っ掛けたんだし』

「……桜さんのあの男に対する評価が見えましたね」


ほのぼのと言う越前、桜、日吉は雲雀とレヴィにそれぞれ視線を向ける
するとマーモンが桜に向かって訊いてきた


「ねぇ桜。彼は誰だい?」

『恭弥はツナ側の雲のリングの守護者で雲雀恭弥よ』

「ちなみにこの並中の風紀委員だから」

「雲ということはゴーラ・モスカの相手だね」

「マーモン。奴をどう思う」


スクアーロに問われたマーモンはちらっと雲雀を見た


「たしかにレヴィはヴァリアーでも鈍重なうえに故障しているが
それを差し引いてもなかなかの身のこなしだね」

「おのれ〜っ」

「やはり貴様は術士だな
剣士のオレには止まって見えたぞぉ





ゔお゙ぉい!!
貴様、何枚におろして欲しい!!」





「ふうん。次は君?」


挑発的にスクアーロを見る雲雀に桜は頭を抱えた
守護者同士の場外での乱闘は失格になるというのだ
日吉と越前は揃って難しい顔をする


「……止めますか?」

「………傷の一つ二つは流石に覚悟しなきゃじゃん
今武器ないし…」


はぁ、と息を吐く越前に日吉も眉間にしわをこれでもかと寄せる



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