頂を目指す二ノ姫V

□サムライの血
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「3回…?アイツは誰や岳人
1000回でも同じライン上に決めるで!」

「そんなバケモノとやってるのかよ、あのチビ…」


思わずそう零したくなる
それほどまでの実力
桜は忘れようと努めていた高揚感をもう一度思い出していた


『(…リョーマ………貴方は諦めないわね………)』


手塚と決めたオーダーではある
だが、ほとんど手塚の意見を聞いたようなものだ
それでも、最終的にスミレに伝えたのは自分
罪悪感から何も言えなかった
それでも、此処にいるなら、この気持ちに嘘はつけない
揺れ動く感情に拳を握る


『(………進化しなさい、リョーマ)』


それは手塚が、そして桜が思っていた事だった
リョーマはそんな桜の思いを受け取ってか、苦しい表情でも真田を見上げた
真田はそんなリョーマを突き放す


「諦めろ…お前ら青学の優勝など最初から存在すらしていないのだからな」


ジャッカルは立て続けに3回ロブを決められたリョーマを見て言った


「これで越前は前に出れなくなったな」

「いんや…よく見てみんしゃい」


しかし仁王がジャッカルの言葉を否定した
にやりと笑みを浮かべる





「アイツ、出るぜ!」





そしてそれは当たっていた
リョーマはロブに恐れることなくネットに出ていく
彼を突き動かすのは、真田に感じた想いだけ





「(俺は、攻め続けてやる!!)」





前に出たリョーマの頭上をボールが越えていく
振り返ったリョーマがボールを追いかけるが、追いつかずに落ちていき、そして



「《アウトーッ40−15!!》」





「まだまだまだーっ!!」





「(球威に押された…!?)」





アウトとなった真田のボール
その後もリョーマは攻める姿勢を忘れず、トリプルマッチポイントを凌いだ


「それどころか……追いついちゃったよ!!」



「《ゲーム越前5−5!!》」



「おっ」


菊丸と桃城が、青学の誰もが、バウンドするボールを見て言う
そのリョーマのサーブは彼のトレードマークになりつつあるのだから


「でたぁーっリョーマ君の…!!」





「ツイストサーブだ―――っ!!」





通常とは逆に跳ね上がるボールに真田の眉間にしわが寄る


「(勢いだけで俺を倒せると思ったか
この俺を誰だと思っている)





微温いわ!!





しかし外へと逃げるツイストサーブは囮でドロップボレーを繰り出した
リョーマは冷静だった




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