頂を目指す二ノ姫V

□人間らしさ
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私は、実はこんなにも臆病だったようだ




貴方たちに忘れられることを望んでいたはずなのに





今は、繋がりが消えることを恐れている





試合のアドバイスをしなくなったことに、気付いているかしら?





予測を立てなくなった事も





元々、あれはさしたる予測では無かったのだけど





何も言わなくなった私は、貴方たちにはどんなふうに見えるのかしら





裏切り者って、言われるようなこと、しているから





相手校の手伝いをするマネージャーなんて、いないわよね普通





それを認めてくれる貴方達も大概だけど





それもこれも、国光と一緒に居たからかしら





責任転嫁かしら?でも、そう思いたくなる





現世に降りて来て、貴方と、貴方たちと過ごしてきて





もっと一緒に居たい





そんな欲が私の中で生まれた





人間みたいな欲





矛盾してる。私





最初は、幸せになってもらいたかっただけ





でも今は………少し違う気がする





幸せになった貴方たち





その傍に、いられることを欲してる





浅ましい、想い





きっと叶えられる事は無い





でもね、だから、だからこそ





あの子が言ったように





今を楽しもうって、思うことにしたの





最初の気持ちは、丸ごと包み込んで持ってる





今の気持ちは、明るい希望にしておく





そして、いつか訪れる未来に





笑って





泣こうと思う





人間として、最後に泣こうと思うの





すべて涙を流しきったら、その時は







みんなに、お別れするわ







だから、それまで、







笑うから―――







→atogaki
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