夜空を纏う四ノ姫2

□クローム髑髏VS.マーモン
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マーモンは頭上で鼻息を荒くさせるカエルに気付いてクロームを見た


「ファンタズマが興奮してる
やはり敵の守護者は特殊な人間のようだな
サーカスにでも売りとばせば金になりそうだな」










了平は言い争うツナたちに疑問を投げかけた


「で、どーするのだ?仲間に入れるのか?」

「なっ」


クロームに掴みかかろうとして山本に後ろから抑えられている獄寺は吠えた


「入れるわけねーだろ!!
こんなどこの馬の骨だかわかんねーよーな奴!!」

「んあ?てんめー聞き捨てなんねーびょん」

「来るならこいや」


それぞれ武器を構えて睨み合う獄寺と犬、千種
その間に幸村と忍足が割り込んだ
2人とも困った表情だ


「犬…千種。落ち着きや」

「君達が決める事じゃないよ」

「そうだな
それにどこの馬の骨かわかんねーのは俺らもだしなぁ」

『うーん。そうよねぇ
だから隼人も武器をしまってくれないかしら』


宍戸と桜も口を挟む
獄寺は目を吊り上げた


「てめー!なんでそいつの肩をもちやがる!!」

『なんでって、友達だからよ』

「なっ!!」


クロームは桜をちらっと見るとツナに真摯な目を向けた
静かに問いかける


「ボス。私、霧の守護者として失格かしら」

「いっ」

「桜の為にも私は霧の守護者として戦いたいけど………
ボスがどうしてもダメって言うなら従う……」


唐突にそう言われたツナは困惑した
いきなりそんなの事を言われても、と躊躇う
確かに、初対面の人間を受け入れるにはこの戦いは危険過ぎる
しかしリボーンはそんなツナに山本の肩に飛び乗りつつこう言う


「でも霧の守護者として戦える奴はクロームしかいねーぞ」

『そうね』

「うん。そうなるよ」

「リ……リボーンさんまで何てことを!!
それに桜と幸村まで!!」

「……幸村、ねぇ」

「!!ゆ、幸村さんまで!!」

「(………言い直したなぁ…)」

「(賢明な判断だったろ…それに体育会系だしな俺等)」


冷や汗を流す獄寺を見て忍足と宍戸は遠い目をした
幸村は一人笑っている
ツナは深刻そうに考えに耽っていた


「(でも確かにリボーンたちの言う通りだ…………
黒曜の連中がからんでるとはいえ
あの女子も山本や獄寺君と同じように父さんが選んだんだ……
桜も友達だって言ってたし信頼してるみたいだし
幸村さんや忍足さんが一緒に居た子だし……
桜を見るあの子の目は本当に桜の事が好きみたいだもんな………
それにこの娘……)」


ひとしきり考え、ツナは顔を上げた
答えは出た。真っ直ぐにクロームを見る





「じゃあ、たのむよ」





ツナの返答の驚いた獄寺は声を上げた
人一倍警戒心が強い彼は納得できないようだが


「うまく言えないけど、彼女じゃなきゃ…いけないのかもって」


クロームは安心したように持っていた三叉槍の柄をぎゅっと握った
桜はにっこりと笑ってクロームの頭を撫でる


『よかったわね、クローム』

「…うん。ありがと」


微笑したクロームに幸村と忍足も満足そうだ


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