夜空を纏う四ノ姫2

□クローム髑髏VS.マーモン
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するとドゴォという音が体育館に響いた
宍戸は驚いてその音源を見る


「コロネロか!!」

「師匠!!もう京子と寝ている時間のはず…」

「だからおねむだぜコラ!!」


ファルコに吊られてやってきたコロネロは桜の肩に飛び降りた
桜はリボーンと話し易いように山本の隣に立つ


「だがカエル乗せたチビの……正体がアルコバレーノかどうか
見極めねーとなんねーからな」

「やっぱり気になったんだな」


コロネロとリボーンの眼光がマーモンに向かう
桜は思わず胸の辺りに手を置いた
マーモンは低い声で言う


「フン。マヌケ面さげた奴が増えたか
この戦いでもっとマヌケ面をすることになるだろうがな」

「(……アルコバレーノ………か)」


宍戸は薄気味悪いマーモンを見て目を剣呑に光らせた
ツナはキョロキョロと周りを見てそう言えば、とリボーンを見上げた


「そういえばディーノさんは?
今日は来てくれないのかな……?」

「そーいやまだ来てねーな」

「ん。あいつは昨晩急用ができてな
旧友に会いにいった」

「(…無理があるんちゃうか……?)」

「こんな時に…そんな…」

「(平気みたいだよ)」


ツナの反応に幸村と忍足は苦笑した
彼は物事をあまり深く考えない性質なのだろうか


「よし。では円陣いくぞ!!」

「え…あ…そ…そーだね」

「よっしゃ」


しかし当のクロームは静かに言った


「いい。いらないよそんなの」


そう言ってフィールドに向かおうとするクロームを桜がひきとめた
名前を呼ばれたクロームは桜に駆け寄る


「なに?桜」

『…ううん。無理しないで、いってらっしゃい』

「そうだね。自分に出来ることを精一杯やっておいで」

「いつも通りやったらええよ」

「気をつけてな」

「……………うん。いってきます」


桜達の言葉に頬を緩ませたクロームは今度こそフィールドに向かう
その後ろ姿を見送る桜の肩を幸村が叩いた


「大丈夫だよ。彼女は」

『………ええ』

「今回の戦闘フィールドは体育館全てで館内の物は何を使ってもかまいません
尚このフィールドには特殊装置は用意されておりませんのであしからず」

「え……?何もないの…………?」


チェルベッロの説明にツナは疑問符を浮かべた


『霧の守護者の特性には余計なものはいらないのよ』

「無いものを存るものとし
存るものを無いものとすることで敵を惑わし
ファミリーの実体をつかませないまやかしの幻影


それが霧の守護者の使命だからな」


「なんや、けったいな使命やなぁ」

「確かに」


忍足は苦笑いを浮かべ、宍戸も苦い顔で同意した
すると上から四角い箱のようなものが下りてくる
コロネロが肩から降りた


「観覧席は同じ館内の指定スペース内とします
嵐戦と同じように赤外線感知式レーザーが設置されていますので気をつけてください」


干渉が出来なくなった桜はジッとクロームを見つめる
彼女を見つけた時の事が脳裏から離れない
だからこそ心配だが


『(……大丈夫。あの子は一人じゃない…………)』





「それでは霧の対戦





マーモンVS.クローム髑髏





勝負開始!!!」






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