夜空を纏う四ノ姫2

□クローム髑髏VS.マーモン
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先手必勝とばかりにクロームは頭上で槍を器用に回転させ、柄の先端を床に突いた
瞬間、その部分に亀裂が走り、床がまたたく間に割れた


「うわ!」

「床がぁ!!」


ツナたちが慌てふためく中、桜とリボーン
そして幸村達は平然と立っていた
割れる床に会わせて身体が傾くが至って普通だ


『3人とも大丈夫なの?』

「みたいだな。まぁちょっと気持ち悪ぃが」

「俺達は慣れだよね」

「まぁな。それに少しは強くなっとるんやろ」


ニッと笑う忍足に桜はそうね、と頷いた
この奇怪な中、確かに彼等の力の向上を見た気がした
リボーンは顔を青くさせるツナに呆れたように言う


「バカツナめ。お前はこの技をしってるぞ」

「ひいい!!うわああ!!」


マーモンは割れて宙に浮いている瓦礫を足場にしてクロームに向かって行く
軽々と飛び乗るマーモンには全く焦った様子は無い


「やはり僕と同じ術士か
でもこんな子供だましじゃ僕から金はとれないよ」


接近したマーモン
そのフードの中から、触手のようなものがいくつも飛び出しクロームの顔に巻き付いた
その途端瓦礫は消え、元の体育館に戻った
宍戸がスッと指をさす


「あそこを見ろ」

「ああ!!」


クロームはマーモンから出たその触手に宙づりにされ、首を絞められていた
苦しげに表情を歪ませるクローム


「弱すぎるね。見せ物にもなりゃしない」


そんなマーモンに背後から近づく人影


「誰に話してるの?






こっち……






背後に居たのはクロームだった
しかも、首を絞められていた筈のクロームは
バスケットボールの入ったカゴになっていた
犬は得意げに、忍足はフゥと息をついてそれを見た


「え!?」

「お…女がバスケットボールになったぞ!!」

「なぁ!?」

「ど…どーなってんの!?」

『幻覚よ』

「げんかく?!」


驚く彼らに桜は短く言った
聞き返すツナにリボーンが面白そうに言う


「互いに譲ることなく幻をつくりだす息もつかせぬ騙し合い
こんなすげー戦いはめったに見られるもんじゃねーぞ」

「……げんかくって…たしか前にも…!





骸の地獄道!!





思い至ったツナはそう叫んだ
それを聞いた獄寺はバッとツナを見る


「………!!
10代目!!やっぱりあいつは骸なんスよ!」

「え…!?」

「だからちゃうって言っとるやろ!」

「って!!!」

「お、忍足さん!!」


獄寺の頭を叩いた忍足を獄寺は睨みつける
しかしその横で幸村が笑っていたので慌てて顔を背けた
相当幸村が苦手らしい

忍足は難しい顔をしてマーモンを睨みつけた


「(…さて、どう出るアルコバレーノ……)」



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