夜空を纏う四ノ姫2

□クローム髑髏VS.マーモン
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突如顕れた少女にツナたちは困惑した
幸村はにっこりと笑って彼女に視線を向ける


「クローム…ドクロ?」

「ん?だ…誰だ?この女子は…」

「……あ………え?」

「ツナの知り合いか?」

「フフッ。戸惑ってるなぁ」

「せやな」


クスクスと笑っている幸村と忍足に宍戸も激ダサ、と呟いた
すると少女、クローム髑髏はハッとして目を丸くさせて






「桜っ!!」






「「「!!!」」」


突然桜の名前を叫んだクロームは
一目散に桜目掛けてダッシュして、彼女に抱きついた


「なっ!?」

「えっ!?」

『………凪…』


小さな声は傍に居るクロームと幸村以外には聞こえなかっただろう
桜はクロームを抱きしめポンポンと頭を軽く撫でた


『久し振り……
ごめんね。あれから会いに行けなくて』

「……ううん。また会えて嬉しい……
ずっと、ちゃんと会いたかった」

『……うん
精市と侑士からは聞いてたけど、目がしっかりしてる
もう、大丈夫ね』


顔を合わせて笑えばクロームもふわっと笑った
桜は忍足と幸村を見る


『………ありがと』

「俺等は何もしとらんわ」

「うん。頑張ったのはクロームだよ」

「…ううん。侑士さんにも精市さんにも助けてもらった」

『だって』


そう笑えば忍足も幸村も仄かに笑った
宍戸がクロームに近づく


「初めましてだな。俺は宍戸亮だ
あいつらと一緒なんだ。よろしくな」

「はい。よろしくお願いします、亮、さん?」

「おう」


何とも和やかな空気が流れているが、それに我慢ならなかったのは獄寺だ


「何してんだ桜!宍戸!!
10代目もだまされないでください!!
そいつは骸です!!骸が憑依してやがるんです!!
目的のためなら手段は選ばねえ!!あいつはそういう男です!!」


噛みつく獄寺にクロームはゆっくりと桜から離れて静かに言った


「信じてもらえないのね」

「ったりめーだ!!
10代目!!あの武器を見て下さい!
それに眼帯で怪しい目を隠してる!!」


確かにクロームの持っている槍は、骸が持っていた三叉槍だ
しかも右目は眼帯で覆われている
骸のように目が赤く、漢数字が浮かぶのかもしれない
しかし、ツナは迷いながらもこう口にした


「六道骸じゃ……ないよ……」

「い゙っ?」

「へぇ」


幸村は面白そうに口元を歪めてツナを見た。忍足は喉で笑っている
獄寺はツナの言葉に狼狽した


「そ…そーなんスか!?」

「いや…あの…なんとなくだけど……」

「(超直感…か……)」


宍戸はそう心の中で呟いた
クロームはふらりとツナに近寄る


「かばってくれるんだ
ありがと、ボス」


するとクロームがなぜかツナの頬にキスをした
それにはツナは真っ赤になり、獄寺と犬は唖然とした


「何してんだテメ―――!!!」

「あいさつ」

「なっ!??」

「あ〜あ。侑士が変なこと教えるから」

「……スマン」

『…何を教えたのよ、クロームに』

「外国人のあいさつはキスで
イタリアもそうだから沢田くんたちも同じだよって」

「…激ダサだぜ侑士
ただそれを実行するあいつもあいつだ………」



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