夜空を纏う四ノ姫2

□六道骸VS.バイパー
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「ぐむ…ふらつく…」

「…吐き気が…するぜ…」

「………気持ち悪ぃ…」


了平や獄寺、そして宍戸も青い顔をしていた
幸村が宍戸の背中をさする


「…幻覚汚染が起きてるね」

「そら、脳に直接作用する幻覚をたて続けにくらったらなるわなぁ」

『貴方たちはまだ大丈夫そうね』

「まぁ、幻覚に耐性でも出来たんちゃうか?」

「でも、もうそろそろマズイかな…」


首の辺りを擦って困ったように幸村は目を細めた
骸の火柱をバイパーが凍りづけにする
するとツナが頭を抱えてうずくまった


「沢田君!?」

「大丈夫か沢田!」

「頭が…われそうだ…」

『ツナ!』

「何だ……?この感じ…」












その時、ツナの目に現実とは違うものは映し出された
大きな水槽。その中に見える影
無骨な鎖。頑丈な手枷。口にはマスク
太いコードに繋がれた右目


「(何……コレ…?)」


次は頭に何かが入りこんでくる
外の映像だった








「骸様……もう追っ手が…」

「ダメれす!逃げられないびょん!!」

「クフフ…さすが鉄壁と言われる復讐者の牢獄…
伊達じゃありませんね…」


広大な草原で傷だらけの骸達
彼等は何かから逃れていた


「ここからは別れて各々で逃走しましょう
僕一人なら何とかなりますがお前達がいては足手まといだ……」









「(これは…記憶…?)」








「ナカマヲタスケルタメオトリニナルトハ…………」

「マアイイ…シュハンはコノオトコダ」

「ヒメギミノシシャモ、コロサナケレバカイニュウスルキハナイダロウ」









こうして、骸は捕えられたのだ
またツナを頭痛が襲う








「いいだろう
逃走中の柿本千種と城島犬の保護は私が責任をもつ」

「クフフ……物好きですねぇ………
僕は全ての能力を取りあげられてしまいましてね
彼等に連れて来てもらった特異なこの娘の躰を借りても…
わずかな時間しかこちらにとどまることはできませんよ」


少女、凪に憑依した骸が沢田家光と向かい合っている
家光の後ろには忍足と幸村がいた
渋い顔をした家光は霧のリングを差し出して言う


「………それでもかまわない
君にツナの霧の守護者になってもらいたい。六道骸
それが桜の願い、そして彼女の為でもある」













「父さん…!」


ツナは苦しそうな顔で骸を見ていた
ツナの状態が分からなかった桜だが、ツナの零した言葉に眉を顰める


『(……なんで今、家光を………)』



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