夜空を纏う四ノ姫2

□六道骸VS.バイパー
4ページ/7ページ




骸とバイパーの戦いはもう終わる所まで来ていた
分身したバイパーが骸に突っ込むが、それを回転させた三叉槍で迎え撃つ
その隙に、バイパーは回り込んで骸に接近した


「とった。死ね!」


フードが大きくなり、骸を呑みこんだ
その布の塊を身体にとげがついた巨大な巻きガエルが囲み
そのままぎゅっと引き絞る様に棘を刺した


「おいっ!!」


思わず身を乗り出す宍戸だが


「……!!バカな!!」






「堕ちろ。そして巡れ」






布を弾き飛ばし、蓮の花を咲かせた無傷の骸がその手にリングを2つ持っていた
あまりの実力に呆気にとられる
幸村は満足そうに腕を組んだ


「これぐらい出来てもらわないとね、骸」

「…随分と上から目線ですね……まぁいいでしょう
このリングを1つに合わせるのですね?」

「は…はい…」

「まだだよ!!!」


バイパーは息を荒げて砂状から戻った
しかしそこに今までの余裕は皆無だ


「ハァ…ハァ…少し遊んでやれば図に乗りやがって!!
ハァ…ハァ…僕の力はまだまだこんなものでは…!」


言いかけてバイパーは言葉を切った
目の前から骸が消えたからだ
すると頭上から声がする
その言葉は聞き覚えのある言葉だ


「ご存知ですよね?
幻術を幻術で返されたということは
知覚のコントロール権を完全に奪われたことを示している」

「!!?グゲッ。やめろ!ファンタズマ!!」
 

ファンタズマが突如バイパーの首を締め始めた
さらに足元が崩れていく


「さぁ、力とやらを見せてもらいましょうか?さあ」


ついに床に穴が空き、下へと堕ちた
幻覚だと分かっているのに浮遊感を感じる
桜はうわっ、と小さく零した宍戸の手をとった
桜の反対側の手を忍足が掴む


「平気か桜」

『ええ。でも流石骸だわ』

「クハハハハ!!どうですか?アルコバレーノ。僕の世界は!!」


笑いながら堕ち、そのままバイパーの口の中に入って行った骸
そんな彼に忍足と宍戸は顔を顰めた
幸村は押し殺すように笑っている
骸が入って行ったバイパーはムクムクと太った
彼は苦しげに叫ぶ


「ンムーッ!!!ムムム!!!やめろ!死ぬっ!死ぬ〜〜!!」





「君の敗因はただ一つ。僕が相手だったことです」






「ギャ」






悲鳴とともに、バイパーは破裂した
元に戻った体育館に片膝をついていた骸だけが残った
バイパーの姿は跡形も無く消えていた


「な……」

「これで………いいですか?」


霧のハーフボンゴレリングは1つに合わさり骸の掌で光る
チェルベッロは顔を見合わせ頷いた


「霧のリングはクローム髑髏のものとなりましたので





この勝負の勝者はクローム髑髏とします」





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ