夜空を纏う四ノ姫2

□雲の守護者の対決
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越前は溜息とつくと、ふいと視線を後ろに向けた


「来たみたい」

「今日の主役の登場だぜ」


やって来た雲雀は獄寺たちを見るなり不遜に口を開いた


「君達……何の群れ?」

「んだとてめー!」

「まーまー。えーとオレ達は…」

「応援に来たぞ!!」

「俺達はいつも通りっスよね」

「ええ。観察です」

「ふうん…」


雲雀は不機嫌そうに一瞬視線を周囲に向ける
そして目を吊り上げて獄寺たちに言い放った


「目障りだ。消えないと殺すよ」

「なんだその物言いは!!極限にプンスカだぞ!!」


怒った了平も歯牙にもかけない
雲雀は観察と言った越前と木手にも冷えた目を向けた


「で、君達も邪魔したら咬み殺すから」

「はいはい」

「わかってますよ」


どうやら越前たちはある程度群れるのを許されたようだ
風紀委員に入った為だろうか

するとガシャンという音と共にゴーラ・モスカが現れた
そのゴツい巨体を見て雲雀の口角が上がる


「そうか…あれを





咬み殺せばいいんだ








運動場に出現したのは雲の守護者の戦う戦闘フィールド


「クラウドグラウンドです」


そこは過酷なフィールドだった
チェルベッロの冷淡な声が空しく響く


「雲の守護者の使命とは





何ものにもとらわれることなく
独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮き雲」





「ゆえに最も過酷なフィールドを用意しました
四方は有刺鉄線で囲まれ
8門の自動砲台が30メートル以内の動く物体に反応し攻撃します
また地中には重量感知式のトラップが無数に設置され、警報音の直後爆発します」

「まるで戦場ではないか!」

「怖けりゃ逃げろ」


レヴィは了平たちをあざ笑うかのように言う


「てめーらのボスのようにな」

「ししし」


獄寺はそんなレヴィと笑うベルに牙をむき出しにした
敬愛するツナへの侮辱は許せない


「ふざけんな!!10代目は逃げたんじゃねぇ!!!」

「ツナは来る必要ねーのさ」


怒る獄寺の肩を掴み、にこやかに言う山本
だがその表情は自信に満ちたものに一変する


「ヒバリはうちのエースだからな
あいつは負けねーって
その証拠に桜も任せたって言って来なかったんだしな」

「何を?」

「……フッ。エース……………」


呟いたザンザスはクッと喉で笑うと盛大に笑いだした


「ぶはーはっはっ!!そいつぁ楽しみだ!!!」

「(ホント、いやぁーな奴)」

「(………さて、心しておかなければなりませんね)」


越前は眉を顰め、木手は眼鏡をかけ直した




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