夜空を纏う四ノ姫2

□大空の対決
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ザンザスを殴りとばしたツナは
しかし追撃しようとして走り出した途端炎の光線をくらった
飛び出してきたザンザスの手には2つの銃


「…………カスごときに武器をとるとはな…」

「ザンザスも武器を使うのか
しかもあれは7代目と同じタイプ」


低いリボーンの声に日吉は彼を見下した
宍戸が焦ったように言う


「7代目と同じタイプだと、何かマズいのか?」

「ああ。ボンゴレにはいろんな戦闘スタイルのボスがいたが
銃をメイン武器にしたのは7代目だけだ
7代目は射撃の腕だけでなく炎の性質からも銃をチョイスしたと言われる」

「?どんな炎の性質だ」

「炎が弱いとかじゃないの?」

「なんでそう思ったん?」

「なんとなく」

「おいおい…」


越前のいい加減な言葉に宍戸は呆れたようだがリボーンは逆にニッと笑った


「正解だぞ越前」

「!マジかよ」

「7代目の炎は弱かったのか」

「ああ。歴代ボスの中でもひときわな」


リボーンはそう言って懐からあるものを取り出した


「だからこそあの武器でそれを補った
恐らくザンザスの銃のカートリッジにもこいつとよく似た弾が入ってる」

「!!死ぬ気弾かコラ!」

「7代目が改良した戦闘用のな。奴の手を見ろ」


リボーンに言われてザンザスの手を見る
宍戸は握られている銃が光ったことに気づいて声を上げた


「あ、あれは…」

「炎が吸収されている?」


宍戸の代わりにシャマルが驚いたように言う
リボーンは頷いた


「そーだ。死ぬ気弾には死ぬ気の炎を一時的に圧縮して吸収する性質がある
7代目もそこに注目したんだ
たとえ微弱な死ぬ気の炎でも蓄積させ一気に解放すればその威力は計り知れない」

「…確かに、その通りやな」

「現に7代目の銃の破壊力はすさまじくその銃でどんな敵も仕留めたという
並いるボスの中でも攻撃力といえば必ず7代目の名が挙がる程だ」


そこで、宍戸たちは気付いてしまった
今の説明に潜む、絶望的な事実に
宍戸が重たい口を開く


「待てよ。ザンザスの炎は7代目と違って
2代目と同じ憤怒の炎とかいうやつなんだろ?」

「破壊力抜群の炎…そんなものを蓄積して一点に集中させたら……」

「ああ。とてつもない破壊力、貫通力になるだろうな
あの一撃をくらったらツナといえど相当やべーぞ」






















ザンザスは相対するツナに嘲笑を向ける


「あぁ?とっとと片付けるんじゃなかったのか?
それとも超直感が死を予感したか」


両手の炎を使ってザンザスに向かって飛ぶツナ
その速さは凄まじいが、ザンザスは吐き捨てるように言う


「ダニが。高速移動がてめーの専売特許と思ってんなよ」

「なっ!!!!」


向かってくるツナをあしらうザンザスの動きは予想がつかないものだった
2つの銃から炎を放出させて宙を移動していたのだ


「弾を推進力にしてやがる。これで機動力は並ばれたぜ」

「……速い…」

「なんて奴だ。あんな動き2代目も7代目もできなかったはずだ」

「……沢田…………………」


裕太が苦い表情を浮かべて拳を握る

するとツナの背後に回り込んでいたザンザスがツナに銃を向けていた


「散れ」

「沢田!!」


引き金を引いたザンザスからの攻撃に、ツナは奇妙な避け方をした
少しだけ己の脇腹に攻撃を掠らせたのだ
飛んで避ければよかったというのにあえてギリギリに動いたツナの行動に日吉が訝る
バジルも怪訝な顔をした



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