夜空を纏う四ノ姫2

□大空の対決
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一方、宍戸はザンザスの行動の不可解さと、動き出した桜に焦っていた
そしてそれは全員同じだった


「何を考えているんでしょう、あの男」

「まぁ、桜を死なせたないのはザンザスも同じみたいやんな」


「随分と桜さんのこと気になってるんスね、あの人…」


越前はジッとザンザスを睨みつけるように見た


「それより、嵐と雷の守護者が動きだしましたよ…」

「嵐のベルフェゴールは獄寺を放置するみたいだな」

「あのおっさん!ランボを殺す気か!!」


窓から飛び降り地面に着地したベルと目を不気味に光らせるレヴィ
否応無しに背筋がぞっとしてしまう
このままではランボが、他の守護者が殺されてしまうのだ
ツナも慌てて助けに向かおうとするがザンザスに阻まれてしまう


「あぁ?どこへいく」

「くっ…」

「ちっ。あの野郎分かってて言ってやがる」

「まずいな……このままじゃ……」


宍戸と裕太が焦燥感を見せる
しかし忍足は一人、落ち着いている越前を見て眉を顰めた
見ればリボーンも泰然としていた


「なんや、リョーマにリボーンは随分と平気そうやな」

「まぁ、あれを見ればね。沢田も何を焦ってるんだか」

「越前の言う通りだぞ
たしかにザンザスも型破りな男だが、お前の守護者もただもんじゃねーはずだぞ」

「えっ……」























「さーてと、姫の所に行こうかな
今行っても解毒は出来ないけど気になるし
それかこっからだと雨が近いしそっちに行こっかな」


ベルはそう楽しげに呟く
しかしその表情はすぐに真剣なものとなった
風を切り裂く音を聞いたからだ




キン




ベルが持っていたリングが弾かれ校舎の方に飛んだ
片膝をついたベルを彼が見下す


「おまえは…」

「ふぅん。よくかわしたね





君……天才なんだって?





そこにいたのはトンファーを構えた雲雀だった
毒に苛まれている様子も無く立っている彼に宍戸は目を丸くさせた


「な、あいつ………っ」

「どうして………っポールが!!」


雲のポールがひしゃげて倒れているのを見て宍戸はまさかと片目を眇めた
忍足も信じられない者を見る目で雲雀を見た


「ヒバリの奴。自分で倒して解毒したな」

「やると思った、ヒバリさんなら」


リボーンも越前も何てことないように言う
しかしこれにはチェルベッロも絶句した


「あ…ありえない…」

「デスヒーターは野性の象ですら歩行不能となる猛毒…」

「束縛を嫌う奴の意地の力だ
だからこそあいつは」



何者にも捕われることなく独自の立場からファミリーを守る孤高の浮き雲!!



「(だからってあれはありえねーだろ…)」

「(あのおねーさんらがありえん言うたからな…)」


宍戸と忍足は何も言えずに口を閉じた
日吉と裕太も信じられないと目を丸くする
リボーンは続けた


「そして本物の守護者達は使命だけでなく、関係性も天候に酷似しているんだぞ」



雲は時に他の天候の契機となり


嵐を巻き起こすことがある



「(それって……)」


嵐と聞いて日吉はハッとした



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