夜空を纏う四ノ姫2

□大空の対決
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ディスプレイでは、レヴィが砂塵の中何かを探すかのようにしていた


「おのれ牛ガキどこへいった?焼け死んだか……?」


しかし程なくしてランボを見つけた
酸素マスクが外れたランボは毒のせいもあり苦しそうにしている
レヴィは酷い形相でランボに向かって行った


「いまミンチにしてやるぞ!
そのいまいましい才能とともに!!」





「待ちな」





すると、それを阻むダイナマイトが爆発した
ダイナマイトを使うのは彼しかいない
シャマルは目を見開く


「ハヤト…!」

「獄寺!」

「言っただろ?雲は嵐を巻き起こす」

「そうか。ヒバリ殿は嵐のリングを獄寺殿にはじいたんだ!」

「やるじゃん」


歓喜の声を上げるバジル
越前も面白そうに口角を上げた



「始めようか天才君」



「大空戦で余計な雑音はたてさせねぇ」



「フン。いきがりやがって。うっとうしいカス共が」



「おい。オレとの戦いに集中しろ」



拳を握り締め、ツナは言う






















桜が向かうと、もうレヴィと獄寺の戦いは終わっていた
ランボを優しく抱え、マスクをつけてやる獄寺は雷のリングを持っていた


「しっかりしろアホ牛
雷のリングは……………おまえのもんだぜ」


見るからに顔色が良くなったランボ
獄寺は険しい表情を浮かべていた
彼の視線の先には空を飛び回りながら戦うツナとザンザス


「10代目の手を守護者のことでわずらわせられっかよ!!
こいつはオレの仕事だ!!」


バッと立ち上がった獄寺はそう言えば、とはっとした


「確か桜も屋上だったよな」

『………向こうの……だけどね…………』

「!!桜!!!」


獄寺が見た桜はフェンスに手をついて、おぼつかない足取りだ
獄寺は血相を変えて桜に駆け寄る


「おい桜!!大丈夫かよ!!お前解毒出来てないんだろ?」

『こんなもの…………貞治のアレを…飲むよりマシよ………』

「は?何言ってんだテメー」


しかし見るからに顔色の悪い桜の手を掴み、獄寺は彼女を抱え上げようとした
ここまで弱っている彼女を見た事がない獄寺は若干戸惑っていた
だが、毒の辛さは身をもって体験しているのだから何も言えない
むしろここまで歩いて来れた事が脅威だった


「(ヒバリといい桜といい……)」

『………いいわ。私は………置いて行って…』

「!?」


獄寺の腕をやんわりと押し返す桜に獄寺は眉間にしわを寄せた
桜はそれを見て微かに笑う


『隼人は………皆をお願い……私はこのままなんとか下まで降りるから』

「っ!!馬鹿野郎!!毒で参ってるお前を置いてけるか!!」


そう言って獄寺は有無を言わさす桜を背負いあげた
衝撃に苦痛の表情を浮かべて耐えた桜に獄寺も苦しそうな顔をするがすぐに怒鳴った


「テメェは少しぐらい俺達を頼れ!!
何でも自分でやろうとすんな!!!」


ランボを前に抱えて猛然と歩きだした獄寺
彼はしかし桜の負担にならないように動いていた
その気遣いが分かって頭の片隅で笑った


「っつーかあの辛さでよくここまで歩いて来られたな。化物か!!!」

『…ひっどい…言いよう……ね……』

「ホントのことだろうが………下まで耐えろよ
正面玄関にいる芝生の所に連れてってやる」


獄寺の背中で、桜は小さく頷いた



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