夜空を纏う四ノ姫3

□10年後の世界
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「ランボいたよな!!」


ツナの部屋で気持ちよさそうに寝ているランボにツナは大声を出した
横になっているランボの脇に膝をつく


「な――ランボ
10年バズーカで大人になってくれよ!」

「何言ってんのツナ
ランボさんは10年バズーカなんてシ・リ・マ・セ・ン」

「頭から出てるじゃないか!」

「ギク」


頬に手をついて上体を起こしたランボのもじゃもじゃ頭から発射口が見えている
ツナは10年バズーカに手をかけて引っ張り出そうとした
しかしランボは頑なに抵抗する


「ボスに使っちゃダメって言われてるんだもんね!!」

「もう使いまくってんのバレバレだって!!」

「バレてないもんね!!」


すると運の悪いことにランボがトリガーを引いてしまった
発射口はツナを向いている


「あら?」

「い゙!?」




ドオンッ




「(え……?うそ…もしかして…10年バズーカに当たった…!?
ってことは………?オレ10年後に……!?)
わっ、わああ!!」


ツナは今さっき起こったことを冷静に分析して青ざめた
しかし次の瞬間、何かに引っ張られるような感覚に悲鳴を上げる
それからすぐに、どこかに体をぶつけるように落ちた


「いて!!」


視界が黒く塗りつぶされ、様子が分からない
ツナは困惑するが、嗅覚は働いた


「(木……?いや花のにおい…?真っ暗だ………)」


そして手を上にもって行けばその先を阻んでいるものに当たる
それを上に動かしてみれば


「(あ……動いた…)
よっ」


軽いかけ声で上に乗っている何かをどかす
すると視界が開けた
乗っていたものは蓋で、ツナは箱のようなものに入っていたのだ
周りの様子からどこかの森に置かれていたようである


「もしかしてここ10年後…?
未来の自分と入れ替わったってことは10年後のオレがここにいたんだ…」


どこだろうと辺りを見回し
そしてツナは自分の入っていたものを見て絶句した
間髪いれずに絶叫する


「ってえ゙――!!?
何でオレ棺桶に――!!?






「誰だ!!」






「ひいっ」


突如聞こえてきた誰何の声にツナは情けない声を上げた
しかし草を踏みしめ、木の間から出てきた声の主は逆に言葉を詰まらせた
まるで信じられないというように


「あ……あなたは…!」


それは昔のおもざしを残しつつも10年で立派な大人の男になった



嵐の守護者、獄寺隼人だった



彼は目を見開いたままツナに近づき、膝をついた



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