夜空を纏う四ノ姫3

□10年後の世界
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ボフンッ




「10代目ぇ……」

「獄寺君!!」


軽い音とともに、10年前の獄寺が入れ替わって来てしまったからだ
おかげでツナは真相を聞きそびれてしまった


「あれ……!いつもの10代目だ!!
オレてっきり10年後に来たかと思いましたよ…」

「いや…ここは10年後であってるよ獄寺君
オレもさっき10年前からきたんだ」

「なんだやっぱりそうスか!
リボーンさんのことで大人ランボを呼ぼうとして10代目ん家行ったら
窓から10年バズーカとんできて当たっちまって…」

「(同じことしてる…)」


すると獄寺はツナの入っている箱に気づいて身を屈めた


「ん――?これなんスか?棺桶みたいスけど」

「みたいじゃ…ないんだ…」

「?」


ツナが自分が棺桶から出てきたことを伝える
すると獄寺は暗い顔をして体育座りをしてしまった
ツナが恐る恐る声をかけると獄寺は突如立ち上がり怒りをあらわにした
10年後の自分に


「10年後のオレは何やってたんだ!!
なぜ10代目が棺桶に!!」

「ひぃ!!」


地団太を踏む彼にツナは引き攣った声を上げる
すると獄寺は地面に蹲り拳を地面に何度も叩きつけた


「ちくしょ――!!
10代目を死なせるなんてオレは右腕失格です!!」

「誰もまだ死んだとは言ってないから!!
(直視しないようにしてるのに――!!)」


逃げていた事を獄寺の本意では無くても突きつけられツナは泣きそうだった
しかし獄寺を落ち着かせる方が先だった


「それに多分こうならないための方法も…教えてもらったんだし!」

「!!そ…そっスね!!
5分経って過去に戻ったら、その写真の奴を葬りましょう!!」

「ちょっいやいや人殺しはまずいよ!!
5分して戻ったらまず…あ…れ?」


ツナはそこであることに気がついた
立ち上がって森を意味も無く見まわしてみる


「もうとっくにここにきて5分くらい経ってるんじゃないかな…」

「なっ」


慌てて立ち上がった獄寺もハッとする


「そういやぁオレもこっち来てから5分は経った気がします」

「だよねぇ!!」


そもそもツナは獄寺より先に来たので、さらに早く戻っていなければならない
なのに一向に戻らない
その事実にツナは頭を抱えた


「じゃあなんで過去に戻らないの?」

「考えられるのは…10年バズーカの故障じゃ…」

「そ…そんな〜!!オレ達どーなっちゃうの――!?」

「詳しくは分かりませんが…二度と過去に戻れないとか…」

「え゙――そんなの困るよ!!」

「いや…まだ決まったわけでは……」


冷静な獄寺の考えにツナはただ慌てるしか出来なかった
うわーっと両手を上げる


「どーしよ〜!!」


ぐるるるる…


その瞬間響き渡る空腹の音
こんな状況でもお腹は空くのだ

獄寺はにっこりと笑って自分の持っていた袋を掲げた


「とりあえず八つ橋食べましょうか」




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