夜空を纏う四ノ姫3

□10年後の世界
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「しかしここ…どこなんスかね?」


八つ橋を食べ終わった獄寺は鬱蒼とした森を見まわしながらしみじみと言った
どこまでも続く森に見覚えは無い


「日本じゃないってことも考えられますね」

「えっ外国――!?」


獄寺は驚くツナの目の前に落ちていた鞄を持ち上げて見せた


「これ、10年後のオレがおいてったんスよね」

「う……うん……」


獄寺はそれを聞くと問答無用で鞄を開けて中身を地面にぶちまけた
慌てるツナだがどうせ自分のものだからと獄寺は豪快に漁る


「なんだ…?このコケむした……箱?
ってか10年経っても紙の手紙かよ…」


そう言って封筒に入った紙を取り出した
その文面を読んだ獄寺の表情が変わる


「何……これ…?絵みたいだけど…」

「これはG文字だ!!」


それは獄寺が中一の時、授業中だというのに考えていた暗号だった
顎に手を当て解読しようとするが




パキ





「やはり…」





「誰だ!!」





人の気配に獄寺が誰何の声を上げる
現れた人物はマントを身に纏いゴーグルをつけた黒髪の人物だった






「はじめまして






さようなら」






厳つい装備の左腕を出した人物が向かってくる
獄寺はツナを下がらせてダイナマイトを放つ
しかしそれは一つ残らず壊され、さらに獄寺自身も囚われてしまった


「何だ…!!あぢっっ!!」


三角形の炎の紐のようなものが地面に刺さりその中に囚われてしまった獄寺
黒髪の人物は冷淡な声で言う


「やはりリングを使いこなせないのか…宝のもちぐされだな」

「リングを使いこなす…?」

「な…何言ってんだ……?」

「オレを恨むな。死ね」


正体不明の相手を前に逃げろという獄寺
だがツナが彼を置いて行けるはずもない


「(本当は…こんなものぜったい飲みたくなかったけど…)」


ツナは昨日帰って行ったバジルに貰った死ぬ気丸を飲み込んだ
ハイパー死ぬ気モードとなって敵を迎え撃つ
襲い来る弾丸を全てを焼き消した


「9mm弾丸をものともしない高密度エネルギー…
待ってたぜ。ハイパー死ぬ気モードのお前をな」

「………………なぜオレ達を狙う」

「今は非常時だ。手っ取り早くが最優先なのさ」


よくわからない答えを聞き、ツナは戸惑うが敵は攻撃の手を緩めない
敵は左腕に装着されている武器でツナを追い詰める
追尾してくる弾丸がツナに直撃した


「(今の…弾は…まさか…)」

「休憩なんてやらないぜ
ここで死ぬようなら足手まといになるだけだからな
生きたきゃ生きろ」


狙いを定めて撃った攻撃をツナに直撃させた敵は肩をすくめた
呆れた声音が空気を震わせる


「リボーンとアイツの指導を受けながらこんなものか
これでよくザンザスを倒せたな…
リボーンが隣にいて初めて一人前だったってわけか……」



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