夜空を纏う四ノ姫3

□変貌
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三人が急いで隠れた岩陰の後ろを地面を踏みしめる重い音が通る
動くモノの気配は大きく、どこか機械音を混じらせていた
ラルは手元を見て小さく言う


「あいつは偵察だな
アレならステルスリングでやりすごせる」

「!!ゴーラ・モスカ!!」


岩の影から敵の姿を見たツナと獄寺は表情を強張らせた
その姿もついこの間見たばかりだ
しかしラルは否定する


「ゴーラの二世代後の機体だ…
ストゥラオ・モスカ
軍はボンゴレ以外にも機密を売ってやがったんだ」


話している中、モスカはツナたちが隠れている岩の方に顔を向けた
獄寺の背筋を冷や汗が流れる


「こっち向いたぜ!」

「みつかりっこない
ストゥラオはリングの力を探知するセンサーを内蔵しているが
マモンチェーンでリングの力は封じられている」


しかしラルの言葉に反してモスカはツナたちとの距離を詰めてきた
慌てる獄寺に訝るラル
すると




ピー―ッ




モスカから発せられる電子音が響き渡った
リングの力がセンサーに探知されたのだ
ラルは血相を変えて2人を見た


「バカな!!おまえ達、ボンゴレリング以外のリングは持っていないな」

「ああ…さっきみせたので全部だ…」

「オレも…あ!」


しかしツナは思い出したようにズボンのポケットを漁った
そして取り出したものを見てラルの表情が強張る


「ランチアさんにもらったリングが」

「!!そのリングは…!!なぜ話さなかった!!」


ラルは表情の窺えないはずのゴーグルをつけていても分かるほど狼狽した
苦渋の滲む声で絞り出すように言う


「3人でも倒せる相手じゃない!全滅だ…」

「!へっ、弱気じゃねーか
自慢のリングの力は役に立たねーのかよ!!」

「戦いは力だけではない!相性が重要なんだ!!」


銃口となっている指を向けるモスカ
もはや一刻の猶予も無い


「アジトまであとわずかというところで…!くそっ」


ラルはモスカに対抗するため武器を構え岩陰から飛び出した

その時、モスカの背後から何かが飛び出し


モスカの頭部に攻撃を仕掛けた


「!(衝撃波!?)」





「鮫衝撃(アタッコ・ディ・スクアーロ)
こいつで1分はかせげるはずだ」





「…!?」


つい最近聞いたばかりの技の名前
それを口にしながら現れた人影は爽やかな笑みを浮かべている

刀を肩にかけ、暗がりから颯爽と現れたのは
獄寺と同じように頼もしく成長した






雨の守護者、山本武だった






「助っ人とーじょーっ」






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