夜空を纏う四ノ姫3

□変貌
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ここが並盛であり、過去に戻れない以上
ここで起こっていることはツナたちの問題になる
そう厳かに告げたリボーンに続き、山本が深刻な声音を発した


「現在全世界のボンゴレ側の重要拠点が同時に攻撃を受けている
もちろんここでも、ボンゴレ狩りは進行中だ」

「ボンゴレ…」

「狩り…?」


聞き慣れないその単語にツナと獄寺が訊き返す
するとリボーンは口を開いた


「おまえ達も見たはずだぞ
ボンゴレマークのついた棺桶を」

「それってオレのことー!?」


10年後に来た時に出てきた棺桶を思い出しツナは叫んだ
すると、獄寺が歯を噛み締めた





「てめえ!!」





獄寺は叫ぶと同時に山本の胸ぐらを掴み上げ、横っ面を拳で殴った

獄寺はツナが殺されたことにずっと憤っていたのだ
敬愛するツナが殺された事が、何よりも堪えていた





「何してやがった!!何で10代目があんなことに!!」





「ひいっ。獄寺君!」


「すまない」


悲痛な表情で山本は謝罪した
ずっと彼も悔いていたのだろう
だが、それすら獄寺のカンに障る


「てめえすまねーですむわけ…!!」

「やめろ獄寺。10年後のおまえもいたんだぞ」


しかしさらに言い募ろうとした獄寺をリボーンが止める
獄寺は力無く山本の胸ぐらから手を離した


「敵であるミルフィオーレファミリーの恐ろしいところはもちろん戦闘力の高さだが
それよりもやべーのは目的がただ指輪を得るための勝利や制圧じゃないことだ」

「本部が陥落した時点でミルフィオーレは交渉の席を用意してボンゴレ側のある男を呼びだした
だが奴らはその席で一切交渉などせず男の命を奪ったんだ……
(それも…あいつが……)」


辛そうに顔を歪める山本
衝撃の言葉にツナも獄寺も言葉を失った


「それからもこちらの呼びかけにも一切応じず
次々とこちらの人間を消し続けている…奴らの目的は、





ボンゴレ側の人間を一人残らず殲滅することだ





その言葉に身体が硬直する
ツナは震える声で言った


「つ…つまり過去からきたオレ達も危ないってこと…?」

「それだけじゃねーぞ
おまえ達と関わりのあった知り合いも的にかけられてるんだ」

「!」


さらなる衝撃に獄寺とツナの表情が強張る


「そ……それって!」

「うろたえんな。まだ希望がなくなったわけじゃねえ」


みるみるうちに青ざめるツナ
リボーンは冷静な口調でツナを鎮めると山本に向き直った


「山本。バラバラに散ったとはいえ
まだファミリーの守護者の死亡は確認されてねーんだな」

「ああ……だが小僧………」

「…わかってるぞ」

「??」


歯切れの悪い山本とリボーンの態度にツナは首を傾げた
しかしリボーンは表情を引き締めるとツナに言う


「ならやることは一つだ





おまえはちりぢりになった





6人の守護者を集めるんだ」





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