夜空を纏う四ノ姫3

□変貌
1ページ/7ページ




突如ツナと獄寺に襲い掛かってきた女、ラル・ミルチ
ツナと獄寺は彼女とこの時代のツナたちのアジトに向かうことになった

日も落ちた頃、2人はラルの決定で野宿をすることになった
焚き火を囲みながらラルに分けてもらった魚を食べていると、ラルが厳かに言った


「お前達のことは写真で見たことしかない
それと…アイツの話だけだ…」

「!?(アイツ?)」

「だが10年バズーカの存在とおもかげで何者か識別できた」

「「……?」」


突然話し始めたラルにツナと獄寺は怪訝な表情をする
ラルは目を瞑った


「時間ができたんだ
知っていることを話してやる」

「!ほ……本当ですか!?」


そして、彼女は言った


「オレはボンゴレ門外顧問の組織に所属している」

「門外顧問って…と…父さんのとこ…?」

「じゃあおまえ………味方なのか!?」

「ああ…」


焚き火の爆ぜる音を聞きながら、ラルはさらに言う


「ボンゴレ全体に緊急事態が発生したため
10代目ファミリーの状況を調べる命を受けやってきた…」

「緊急事態……?」

「そうだ





ボンゴレ本部は、2日前に壊滅状態に陥った





ラルからもたらされたその事実はツナと獄寺を絶句させた
しかしラルの口調は淡々としていた


「今のところ本部の生存者は0名…9代目も行方不明
急遽門外顧問のチームが救援に向かったが、消息が途絶えている…」

「え…ええ!?」

「だまされないでください10代目!!」


顔を青くさせたツナを制し、獄寺が怒りの表情で立ち上がる


「やはりこいつのいうことはデタラメです!
あの大ボンゴレが壊滅なんてするわけねぇ!!」

「10年前ならな………
だがこの時代にはそれをできるファミリーがいる」


ラルは獄寺の言葉にすかさず返し、ツナを睥睨した






「ミルフィオーレファミリー






ボスの名を白蘭」






「!!」


その名を、この時代の獄寺に聞いたツナは目を見開いた

そして信じざるを得なかった

リボーンのことも、棺桶に入っていた己の事も


「この時代、戦局を左右するのはリングと匣だ…
奴らはリングと匣を略奪することにより急激に力をつけてきた…
ボンゴレを急襲した目的もそうだ…」

「ボンゴレリングが狙いだってのか!?」

「………………重要なリングはそれだけではない
もともとリングはマフィアの黎明期に暗黒時代を生きぬくために
先人達が闇の力との契約を交わしたことの象徴だと思われてきた…
だが沈黙の掟(オメルタ)に守られてきたマフィアのリングには
人知を超えた力が宿っていたんだ…

おまえ達もボンゴレリングが燃えてるのを見たことがあるはずだ!」


ラルの言う場面
先頃のリング争奪戦のヴァリアーとの戦いをツナは思い出した
確かに、あの時夜を除く全てのリングは燃えていた
そして夜のリングも、試練の時大きな黒い炎を噴き出していた
ラルは顔を上げる


「リングの力はそれだけではない…
あそこに飛ぶ気球を見ろ」


そう言ってラルは上空に浮かぶ炎の灯った気球を見た
そして何本か漂っている紐のようなもの
その一本の先端が燃えているのを見た途端顔色を変えた
焦ったようにマントを羽織って立ち上がり、焚火に砂をかけた


「なにやってんだ!!」

「敵だ!」

「!!」


ラルは焦った表情でツナと獄寺に怒鳴るように言う


「感傷に浸っている場合ではないぞ
奴らは強い!!見つかったら終わりと思え!」

「!!」


ラルの鋭い声に、ツナと獄寺も表情を引き締めた


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ