頂を目指す二ノ姫W

□4日目@
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遂に、合宿も残すところあと2日
最後の2日間の予定を聞かされていなかった彼らは
朝食の時間、前に立った顧問と桜に目を向けた


「さて、残すところ合宿も2日だ」

「これからの予定だが、当初の予定では練習試合に入るつもりだった
だがその前に、午前の時間を使ってあることをしてもらう」

「あること?」


首を傾げる彼らに桜が溢れんばかりの笑顔で言った
その笑顔に、悪寒が走る


『せっかくこんな合宿の機会があるのに、学校単位に分かれてしまったでしょう?
だから、ちょっと全員でみんなの体力を見せてもらおうかなって思って』

「体力?」

「具体的に言うとなんだ?」

『フフ。簡単よ。全員でランニングをしてもらうわ。ちなみに』


そう言って桜は青学の集団を指差した
眼鏡を押し上げながら彼が立ち上がる


『最後にゴールを走り抜けた人の学校は連帯責任で





貞治のこの乾特性野菜汁スーパーリミックスを飲んでもらうわね





「「「「!!!!」」」」


「ヒィィィィ!!!」


「き、来ちゃったよ………」


即座に青学と六角
そして勉強中にその威力のほどを垣間見た赤也たちは青ざめた
その様子に跡部は眉間にしわを寄せる


「なんだ?青学と六角のあの様子……」

「相当やばいんかいな」

「らしいな」


ウフフ、と至極楽しそうな桜に神尾は呆気にとられた
あんな桜、見たことがない


「ど、どーしちゃったんスかね」

「……あれがあの人の本性なんじゃないの?
あーヤダヤダ。人の不幸を楽しむなんてさ」

「深司」


橘は伊武をたしなめると肩を落として笑った


「まぁいいんじゃないか?
神崎もああいう形でも楽しんでいるならな」

『それじゃあご飯を食べ終わったらコート前に集合ね。よろしく』


もう食べ終わっていたらしい桜は颯爽と出て行った





















「それじゃあ始めるよ
ルールは簡単
スタートの合図でこの合宿所の周りを走るだけだ
ただし、距離、時間は無制限」

「無制限!?」


ざわつく周囲に榊が声を張る


「いつ終わるのか、諸君はわからないままに走り続けることになる
ラスト1周でこちらから指示を出す
つまりそれまではずっと走り続けるということだ」

『給水制で、タオルもここで支給するわ
あ、心配しないでね、ここでペナル茶は出ないから』


給水制と聞いて菊丸と桃城が反応したのを見て桜が付け加えた
隣には準備ばっちりの栞たちマネージャー


『精市はどうする?』

「………もう全国も始まるしね。やるよ」

『そう。無理そうならやめていいからね』

「ああ。わかってる」


しっかりと頷いたのを見て、桜は声を張り上げた


『それじゃあ始めるわよ!!全員位置について』


総勢50人が集まればかなりの密集具合だ
凄い光景である




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