頂を目指す二ノ姫X

□たった一人の攻防
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「はいでえ!!」


「《ゲームセットウォンバイ甲斐 6−4!!》」



佐伯は負けてしまった
比嘉中が大いに沸く


「したいひゃーっ5連勝!!」

「全勝で2回戦かいんじらりーん!」

「くぬまま全国優勝までぃかってぃみぐゎーやさ!」


俯きがちに佐伯は青学の元に歩いてきた
悔しそうに汗を拭う


「ワルい…せっかく我々六角を…」

「早くオジイの所へ」

『これ、タオルよ。病院はこのすぐ裏の病院だから』

「……ありがとう」


佐伯はタオルを受け取ると足早にコートから出て行った
その後姿を甲斐が可笑しそうにあざ笑う


「アハハ。大きな口たたちょーるわりぃねぇ弱〜っ!」

「負け犬ぐゎーやさ!」

「負け犬負け犬!」

「負け犬負け犬!」


負け犬コールが辺りに響く
しかし、口を開いたリョーマの声はよく通った






「こーいう奴等ダマらせるの、楽しくないっスか?」






「ああ…燃えすぎちゃっていけねーなぁ、いけねーよ」







「《これより2回戦

青春学園(東京)VS比嘉中(沖縄)の試合を始めます!!》」








そして、青学の全国大会最初の試合が始まる















おまけ

『フフフ』

「…桜?」

『よく言ったわリョーマ、桃』


比嘉中に啖呵を切った2人の頭を桜が撫でる
しかしその表情は笑顔の裏に恐ろしい顔があった


「………桜……マジで怖いんだけど……」

「ど……どうするんですか………」

「て、手塚〜。幼馴染ならなんとかできるよね?」


手塚に縋るような声を出した菊丸
だが手塚は顔を伏せながらメガネを押し上げ苦い声を発した


「……いや………あんな桜はそうそう見ない
いつもならすぐに怒りも収まるんだが……」

「……なんか……桜のキャラが変わってきてるよね……」


すると桜がレギュラーの顔を一人一人見た
直立不動になる彼らに、桜はニィィッコリと笑った


『貴方たち、勝ちなさいね?
万が一にも負けたら………』


クスッと笑って桜は言った







『ヒドイわよ?』







「「「!!!!」」」






かつてないほどの不安が彼ら全員を襲った
そして、全員の心が一つになった






「「「(((ま……負けられない………)))」」」






→atogaki
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