夜空を纏う四ノ姫3

□夜襲
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『正一には悪いけど、アレの準備を白蘭がしてるし、私も識ってるから……
これでボンゴレリングを奪う事は出来ない』

「「!!」」

「…それは……絶対なのか?」

『ええ。このまま変わらなければ……ボンゴレが基地に侵入する』

「!」

「…それは、入江に伝えないのか?」

『今伝えちゃうと歪んじゃうかもしれないしね
白蘭も別に気にしないでしょう』


フッと笑う桜の目には違うモノが映っているようだ


『それで、貴方たちには彼らとともに行動をして欲しい』

「…彼ら?」


驚く跡部たちに桜は口角を上げた
まず、と手塚と跡部、柳を見る


『貴方たちはこのまま正一の補佐をしていて』

「「……了解しました」」

「分かりました」

『蔵は赤也の許に
そのままアフェランドラ隊の動向を注視していて』

「了解や」

『後は無線で連絡を入れるわ。じゃあ、よろしくね』


桜はフッと笑い手を振った
彼等は無言で頷き、それぞれ散って行った


『あら……?』


ふと、部屋の隅を見れば、チェルベッロの一人が話しこんでいるのが見えた
その周りには距離を置いてアフロの女とターバンを巻いた男
そしてテンガロンハットとマントを身に纏った子供のような男がいた
桜は不審に思って声が聞こえる所まで近寄った


「あそこで暴れるのはデンドロ・キラム以外に考えられない
あの男にはムシャクシャすると格納庫で武器を試射する悪癖がある
突入隊に入れなかったことへのはらいせだろう」

「それなら納得です
格納庫側から各種センサーを切っているようなのでおかしいと思いましたよ」

「デンドロを厳重注意する必要があるな
強制的にセンサーを開いてくれ」

「はっ。では格納庫のカメラを映します」

『(ここは視てないから分からないけど………もしかしたら……)』


桜は目つきを鋭くさせて映し出されるモニターを見た
しかし何の変哲もない格納庫の映像が映し出される


「あれ…?異状…ありませんね
すいません…私の早とちりのようです」


謝った男を慰めるようにチェルベッロは肩に手を置いた
しかし、桜はクスリと笑う


『(フーン。なるほどね)』


その桜の肩を、アフロの女が叩いた
桜は振り返って笑みを浮かべている女に同じ様に笑いかけた


『何?』

「用件は一つしかないだろ?」


にやりと笑って簡潔にまとめられた言葉に桜はそうねとアフロの女に頷いた
























ミルフィオーレの目をかいくぐり、メローネ基地に侵入したツナたち
彼等は早々「一番槍(アラッタッコ)」の異名を持つデンドロ・キラムに遭遇した
しかしツナの新技「] BURNER」で圧倒し撃破する
そのまま警備システムのサーバーを破壊するべく内部を突き進んでいた


「基地内の敵の数が想定していたより大幅に少ないな
ヒバリが囮になっている効果は絶大なようだ」

「そんなに多くの敵が…ヒバリさん一人で大丈夫かな…」


感心するラルにツナは心配そうに顔を曇らせた
いくら雲雀の実力を知っているからと言って、おいそれと安心できるような状況ではない
しかし了平はそんなツナを励ました


「心配はいらん!!
いまだかつて奴が死んでいるところは見たことがないからな!極限にな!」

「え゙っ」

「どんな理屈だ!!」

「ハハハ」


あまりの言いように獄寺が怒鳴り、山本は相も変わらず笑っている
そんな彼らにラルが目を吊り上げる


「おまえら。どこでも遊ぶんじゃない!!
まだこの基地には桜もいるんだ!!気を引き締めろ!!」

「ス…スマン」

「すいません…」


ラルに叱咤され、ツナは背筋を伸ばした


「(そうだよ。桜もいるんだよな
桜とは戦いたくないけど……
説得できるならしたいけど……やらなくちゃ)」

「図面を確認しろ!!」


ラルに言われ了平は端末のマップを確認し、ツナ達は警備システムサーバーへ向かった



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